本来的人間(シュタイナー風に)

私たちは物質を外からではなく内から見ているという感覚を養っていかないといけません。主客一致の認識はそのようにしてやってきます。奥行きを4次元として理解できれば、空間はそのように変態を起こし、外であったところが内でもあるという感覚が生まれてきます。

物質とは、こうした4次元の内部と外部を巡って多重な層を形成しながら活動する精神が3次元に落とす影のようなものです。この精神は私たちには時間として感取されていて、この精神は内部においては持続(アイオーン)、外部においては時間(クロノス)として働いています。

存在者の世界は言うまでもなくクロノスを拠点とし、一方で存在の世界はアイオーンを拠点としていて、それこそハイデガーの言うように外襞と内襞のような関係で蠢いています。現存在たる人間とは、これら外襞と内襞が接触するところに起こっている外と内の媒介をとりもつ現象体です。

こうした三つ組みが4次元の位相を通して見えてきたときに、ハイデガーいうところの”世界-内-存在”としての人間(自己)の姿が明瞭に前景化してくることでしょう。存在を通して初めて自己というものが見え、そのことによって、他者というものの居処もまた見えてくるということなのです。

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まずは「此処」がやってる。
「此処」がやってくると、私がやってくる。
私がやってくると貴方がやってくる。
私と貴方がやってきて、初めて、世界がやってくる。
本来的人間とは、そのような世界に住む人間のことです。