人間の世界認識の一番の問題点

ヌーソロジーでは他者のことを総体の定質、自己のことを総体の性質と呼ぶ。
 
奥行きの子供たち』で紹介したカバラの「生命の樹」でいうならケテルとマルクトの関係だ。
 
これはほとんど人間と神の関係と言ってよいものだ。
 
しかし、今の僕らは自他を「人間」という概念で一括りにしてしまっていて、自他間に潜むこのような距離がまったく見えていない。
 
この本で書いた「ケテル-マルクト結合」というのも、自他を一般化して見なすこうした人間の運命的な視点のことを意味している。
 
物質オンリーで世界を見る科学主義は言うまでもなく、歴史、社会、政治といった人文系の様々な概念も、こうした「ケテル-マルクト結合」の領土内から一歩も出ることができていない。
 
意識に映し出される自他関係の由来は、私たちが考えているよりもはるかに深いものなのだ。
 
まずは、そのパースペクティブをセットしよう。
 
※下写真は『奥行きの子供たち』P.104

奥行きの子供たち