電子の二重スリット実験が意味すること

「人間の意識に点(位置)認識を与えている持続空間の回転」というのが、ヌーソロジーにおける波動関数ψの解釈だった。よって、二点の認識の際には、当然二つの固有の波動関数ψ1とψ2が働いていることになる。そして、それらは自己の持続Ψから分岐しているものであるから、Ψ=ψ1+ψ2という等式が成り立つ。
  
下図上はおなじみの電子の二重スリット実験の概要図だ。点aを観測者の位置、点b、点cをそれぞれ二つの点認識の位置と考えよう。すると、それら各々の位置には、その認識を可能にするための持続空間のがΨ、ψ1、ψ2として活動していることになる。結果、右端(d)は、|Ψ|^2=|ψ1+ψ2|^2が干渉縞として現れることになる。
  
こうして波動関数を持続空間の活動と見なせば、二重スリットの実験結果も何の不思議も感じなくなるだろう。
 
―そこで起きていることとは、単に「人間の外面」で起きていることを、人間がそのまま「人間の内面」に見ているということにすぎない。
 
このことから、以前紹介した「点Aと点Bは同じ位置」(下図下)という発言の真意も分かるのではないだろうか。
 
見られるものではなく、見られるものを見ているものの内に奥深く分け入っていくことが必要だ。真の内観とは、宇宙持続の中で自分がどのように生み出されてきたのかを見ることだ。内観は内観自体の組織を持っている。それが素粒子のシステムだと、とりあえずは考えておくといい。

電子の二重スリット実験の概要図
点Aと点Bは同じ位置