トランスフォーマーにおける絶対的外部感覚(人間の意識の外)のニオイ

今月9日のヌースアトリウムで僕が話したのは、おおよそ次のような内容です。 
 
SU(2)が活動している複素2次元空間というのは、見るものと見られるものとが一体となった空間です。この空間での一回転は3次元空間での720度回転に当たります(下アニメーション図1参照)。
 
これは3次元空間上のベクトルが二つのスピノルの重なりからできていることを意味します。その重なりの意味がそのままヌーソロジーでいう「表相の等化」に当たります。
 
本来、自他とは反転した空間の表現として存在させられているのですが、それらが複素2次元空間の中で起こっている回転の中で同一化させられて、その持続空間的存在としての自他の分離が見えなくさせられているわけですね。
 
ヌーソロジーでいう「表相」とは一つの物体の見えのことですから、例えば、下のアメスピのパッケージのファサードデザインを自己と他者が同一のものと見ることが「表相の等化」の意になります(下写真図2)。このとき、表相が自他の持続空間を「等化」しているということです。
  
人間の空間認識は3次元認識が先行しているので、同じファサードを自他がそれぞれ見ていると考えるのですが、本当は逆で、表相が自他それぞれの持続空間を等化しているから、人間に3次元空間の認識が生まれているのです。
 
複素2次元空間(持続を虚軸と見なしたときの自他空間という意味です)が知覚できてくると、そのことがよく分かってきます。
 
これも、3次元認識を主に置いた説明になってしまいますが(わたしたちの空間理解がそのようになっているから、説明上仕方ない)、物体の表面には無数の無限遠点(主体の位置)が射影されてきています。その射影性において物体を見ると、物体の回転はSU(2)に見えてきます。これもヌーソロジーのバイスペイシャル認識が生み出してくる高次知覚の一つです。
 
トランスフォーマーの空間認識が持った「もの」なる、という絶対的外部感覚が少しはニオってくるのではないでしょうか。
 
こうしたマルチ(多重)空間の操作を裏で行なっている機構が、ヘキサチューブルです(下図3)。今の話の場合だとψ7〜8をψ1〜2レベルへと凝縮化させて、重畳させてくるわけですね。


アメスピパッケージ
ヘキサチューブル