フォニオの芽吹き

言葉は存在の住処だと言うハイデガー。すごく抵抗がある。むしろ、言葉は仄暗い土の中で目覚めを待つ種子のようなものとして考えたい。そういうイメージの方がしっくりくる。
 
今は薄暗い所で活動しているが、言葉もやがて目を開き、生成の大地に文字通り芽を出してくる。
 
そして、種子が大気の存在を初めて知る日、すべての言葉も双葉に割れる。
 
【フォニオ】とは——
ドゴン神話においては「種子」の意味を持つ。フォニオは七段階の振動を作りながら自らの内部で螺旋状に成長していく。この七段階の振動を発展させていくのは種子の生命の本質とされることばの活動である。ことばの力によって種子がその内部で成長を遂げていく。十分に種子が育つと、そこからこの種子は螺旋状の旋回の方向を反転させフォニオを双子化させて世界を開いていくとされる。ここに基本となる「7×2=14」という数が生まれるる。「14」はドゴン神話においては極めて重要な数である。

フォニオ