最も巨大な複素平面とプラトン年

先日紹介した「ヌース辞書」には「心」について次のように書いてある。
 
―精神の中和によって生まれる進化の方向のすべて。定質の関与が起こるところ。精神にとっては付帯質そのもの。
 
おい、おい、辞書になってねぇ~ぞ(笑)。
 
だけど、この文章も今はよく分かる。「精神の中和」とは精神の等化に生まれる等化されたもの側の状態のこという。精神の等化とは自他の霊的合一のような意味だと考えるといい。その合一は万物の創造の意味を持ち、創造されたもの側の世界が精神の中和の状態を意味する。要は物質世界だ。
 
この物質世界に新たなる精神の発芽を託された種子として人間が登場する、というストーリーになっている。この種子としての人間に対して精神の等化を行った力(本精神と呼ばれる)は尚も自分自身の進化を進めていこうとしている。これが、この文章に記された「定質(すべての方向を確実化していく力)の関与」という意味になる。そこに人間が「こころ」と呼んでいるものの働きが生まれているということらしい。
 
この精神の物語の構造は極めて単純なもので、複素平面上の一回転に同型対応させることができる。物質を「+ 1」と置いてみよう。すると、精神の対化は「+ i 」と「- i」として配置できる。自己が物質意識から最初の精神を発現させたところが「+ i 」としての精神だ(下図参照)。
 
この精神は次の段階で自分自身の対となる「- i」を自身の中に同一化させ、それによって「-1」を作る。それは片割れだけで世界を覆ってしまうという意味になるが、これが「父」としての時間だと考えるといいかもしれない。「3」ですべてをまとめようとする欲動だ。
 
しかし、そうした父の勢力も徐々に弱体化し、精神はそこから真の他者となる「- i」と出会う。そこから、最後に「+ i」と「- i」を合一させ「+1」を作り出す。ここに至って、精神の対化における等化が達成されることになる。そして、同時にこの精神の等化に対して周回遅れの精神の中和が生み出されるという仕組みだ。
 
精神の等化は終わりの「+1」。精神の中和は始まりの「+1」。終わりが始まりに働きかけるところが辞書に書かれている「定質の関与」と考えるといいだろう。精神はこの間4度の90度回転を行っている。この4度の回転がヌーソロジーがいう「次元の交替化」の意味となる。これは約26,000年のプラトン年の内部構造と考えていいのかもしれない。
 
この中和に生まれる等化との周回遅れの次元的距離が存在者と存在の差異だ。存在(あること)はいかにして存在者(あるもの)を在らしめたのか。OCOT情報やシオリズムのいう「地球」とは、この「存在」としての方の地球のことを言っている。―真実の地球。
 
どうか、自己と他者の存在様態は精神の対化(「+i」と「- i」)の表現であるということをお忘れなきよう。両者は同じ世界にはいない。それを同じ世界にいるように見せかけているのが父の機能としての「-1」、つまり、時間だと考えるといい。それは偽りの神であり、世界を支配しようとしている一者的精神と言い換えもいい。この「-1」から逃れ、世界に再び「+ i」と「- i」を出現させること。それが永遠回帰としての差異、つまりは、別のものの到来だ。
 
ちなみに、この壮大な複素平面上の回転はヌーソロジーでいう大系観察子Ω11~Ω12の世界を意味している。OCOT情報はヒトの総体の次元領域と呼んでいる。太陽系(世界霊魂)のことだ。
 
―時間に支配される意識も確かに楽しいけど、せっかく人間として生きているのだから、自分を生み出してきたこうした広大な無意識領域を少しは思考で旅してみるのも面白いと思うよ。人間がもしほんとうに存在の種子なら、種子は樹木の情報をすべて内在させているはずだからね。世界には裏舞台があるんだよ、きっと。
 
この文章にも辞書がいる、とか言われそうやな(笑)

複素平面とプラトン年