時間と別れるための50の方法(29)

●プレアデス、シリウス、オリオン
 (前回からのつづき)しかし、ここで一つ疑問が出てきます。それは、本来、奇数系の観察子(等化)が先手であるべき精神の営みが、どうして、偶数系(中和)が先手となるような流動性を持ち得るのかという問題です。この問題を解くキーは、実は前々回お話した精神構造が持っている双対性という概念にあると考えられます。話の要点を明確にするために、前回の図1で示したψ13~ψ14の円環モデルに他者側の次元の全体性であるψ*13~ψ*14を円環モデルとして描き足してみることにしましょう(下図1)。

Gigen_twin

 この図を見ても分かるように、双対性が持つ性格によって、自己側と他者側では次元の構成関係が相互に逆転し、奇数系観察子と偶数系観察子が相互に捩じれ合うような関係が生まれているのが分かります。この捩じれ合いによって、自己側にとっての偶数系観察子の流れの全体性を示すψ14の領域には他者側における奇数系*観察子の流れの全体性であるψ*13が、同様にψ13の背後にはψ*14という他者側の偶数系観察子群が覆いかぶさるようにして作用している様子が見て取れます。

 ヌース理論ではこのときのψ*13の流れのことを「反定質の総体」と呼び、同じくψ*14の流れのことを「反性質の総体」と呼びます。反定質は人間の意識を物質的なものに向かわせ、反性質は精神的なものに向かわせています。
 反定質の総体とは単純に考えれば他者側の定質総体と言ってよいものなのですが、それはあくまで、他者側から見た場合であり、自己側から見ると観察精神であるψ13の先に存在するもう一つの観察精神(ψ*13)のような意味合いを帯びています。つまり、自己側から見たψ*13はあたかもψ13とψ14の対関係を等化に持っていっているより上位の精神として、ある意味ψ15と呼んでもいいような役割を果たしているわけです。OCOT情報はこのような精神の役割を「次元の等化」という言葉で伝えてきています。

 次元の等化におけるψ*13のψ14に対する交差の意味を「人間の内面の意識の流れを作り出している当のもの」と解釈すると次元観察子全体の運動に論理的な整合性を与えることが可能になってきます。つまり、ψ14の流れは自らは能動的に動く力を持っていないわけですから、ψ*13のψ14に対する働きかけが、ψ14の内部性であるψ2→ψ4→ψ6→ψ8→ψ10→ψ12→ψ14を動かしていっている本因力となっているのではないかと考えるわけです。逆側も同様です。人間の外面の意識の流れであるψ13は人間の内面側の意識が先手を取ることによって、ある意味、その能動力を去勢されているわけですから、ψ*13の反映として生まれてくるψ*14のψ13への交差力が、今度は逆にψ1→ψ3→ψ5→ψ7→ψ9→ψ11→ψ13という人間の外面の意識の流れを生み出してくると考えればよいでしょう。いずれにしろ、人間の内面と外面の意識は、次元等化の作用がその背景で暗躍していることによって営まれている、ということになります。

 次元観察子が持つこのような構造上の秩序が見えてくることによって、なぜ人間の意識においては赤の矢印で示されている人間の内面の意識が先手を取って形作られているのかが少なくとも図式的には理解することができてくるわけです。
 こうして、次元観察子の全体性が持つ双対性によって、その内部を流れる力の流動性には次のような三つの局面があることが分かってきます(下図2参照)。

 1、偶数系の観察子が先手、奇数系の観察子が後手で動かされている局面
 2、奇数系の観察子が先手、偶数系の観察子が後手で動いている局面
 3、奇数系*の観察子が先手、偶数系*の観察子が後手となって「1」を動かしている局面

Pso

 現時点でのヌース理論では、これら三つの領域がそれぞれOCOT情報が伝えて来ているプレアデス(人間の内面と外面の意識)、シリウス(ヒトの内面、外面の意識)、オリオン(真実の人間の内面と外面の意識)ではないかと考えています。キリスト教神学的に言えば、これは、子-聖霊-父の三位一体構造の具体的構成に当たります。
——つづく