世界の終わりと始まりの狭間

 永遠がやってくると、
 世界はすべて点の中に入る。
 なぜなら、永遠の中ではすべての長さは限りなくゼロに近くなるからだ。
 創造はこの限りなくゼロに近い無限小の場所から始まる。
 この大宇宙を点の中に畳み込むこと。
 137億光年をプランク半径と同一視すること。
 ——点が円環を内包したとき、聖母マリアはイエスを懐胎する
 まるにちょんが入るのだ。
 
 そして、君は聞く。
 永遠ってどこにあるの?
 僕は言う。
 目の前さ。
 目の前?
 そう、見ること自体が光であるということに気づいたとき。
 見ること自体が光?
 そう。僕らは光でモノを見ているんじゃなくて、光自体が見ることだということさ。
 ということは、見ることって光速度の中にいるってこと?
 そうだよ。
 じゃあ、遠くの星は今の光なんだ。
 もちろんさ。
 よかった。僕の好きなカシオペア座も今あそこにあるんだね。
 はは、当たり前さ。いつでも「今」なんだから。
 じゃあ、「今」から何をすればいいの?
 たくさんの「今」を集めることだよ。
 そっか、みんなを「今」にしちゃえばいいんだ。
 うん、そうしたら、本当の未来がやってくる。