12月 27 2006
始源のメルカバー
最近、3冊のヌース本を読んだというIさんという方からメールを頂いた。その中で「光の箱舟」で紹介した3種のプラトン立体(正四面体・正六面体・正8面体)と核子(陽子・中性子)の関係に関する質問があったので、かなりヌース理論の内部に入り込んだ記述になるが、この場を借りて現時点でのパースペクティブを書き記しておこうと思う。番号順に下図(1)〜(8)をご覧になりながら読んでいただきたい。
(1)正八面体は相互に反転関係にある3次元空間R^3の重畳を意味します。その意味で√1エッジは3次元の座標軸を象徴するものになります。この相互の反転性がスピン±1、相殺がスピン0粒子の元となります。主に力の粒子と見なされているものの本質だと考えています。
(2)SO(3)によって、R^3の対化の等化と中和が生まれます。4次元方向の軸が立つという意味です。等化側がψ5(電子のスピン軸)で、中和側がψ6(局所時空=ニュートリノのスピン軸)を作ります。この様子は回転する正四面体を貫く√3エッジ軸の2つの方向性に対応します。青側が電子で赤側が局所時空です。つまり、√3エッジとは4次元の座標軸を象徴するものになります。
(3)電子のスピンベクトルは図3のように√3/2の長さを持つスピン軸(ψ5)を中心に回転を行っています。
(4)このスピン軸は∞と1/∞を等化しているために、そのまま、正八面体に内接する球体の直径の位置まで縮みます。この直径は3次元座標軸の1/2の比になります。これが通常言われるスピン1/2に当たるものです。正八面体に内接する球体はモノ概念(点概念)に当たりますので、このスピン1/2が示す1/2とは「無限大が無限小に入り込むときの比率」を意味することになります。このプログでも何度も言ってきたように、外面から見ると天球面はモノ(点)の内壁と同一視される、ということの意味です。内部空間に入り込むということですね。
(5)(2)の双対を考えると図(5)のようになります。星形八面体の逆回転によって生まれる方向性です。双対で見るとψ5にψ*6が交差し、ψ6にψ*5が交差します。いわゆるツイスタースピノールです。
(6)ψ5とψ6を等化するために、ψ5はψ6をψ*5と見なして3次元球面上の回転SU(2)を作り出し、その対称性としてψ7=陽子が生まれます。このとき、3次元球面のフレームワークとなっているのが正六面体です。その意味でこの正六面体はψ7のカタチということができます。
(7)この正六面体は外面に生まれているものなので、そのまま、4次元方向に射影されて正八面体に内接する正六面体となり、モノ(点)概念を支えるフレームとなります。
(8)ψ5とψ6という対化において中和側は等化が見えません。それによって、ψ6とψ*6の対称性を形作る働きをし、同じく3次元球面上の回転を作り出しますが、等化(外面)が見えないので、そのまま、正六面体の外接球面として残ります。これが大局的時空(局所時空の綜合)です。等化側からは、これはそのままψ8の中性子に見えます。もちろん、フレームワークは正六面体です。
(9)以上のことから、次のようなことが言えそうです。
SU(2)として等方向に回転する3次元球面の中心点と球面の関係は陽子と中性子の関係と考えられる。そして、その半径が電子であり、これら陽子と中性子を等化するために電子は軌道運動しているのだろう。このことの認識としての意味は、ある客観的一点から広がる外在世界を認識している主体の意識そのもの、ということになります。単に「外の世界がある」と人間が思っていることのウラにはこのような空間構造が隠されている、ということです。このことは逆を言えば、このような構造を作り上げた思考が人間に「外の世界がある」と思わせていたということになります。そして、その建築物は時空上では水素原子として見えているということです(重水素には別の意味が持たされます)。電子のスピンも陽子・中性子のアイソスピンもともに±1/2ですが、これらが物質粒子を作ります。物質とは進化の方向を持った精神によって作られているということです。これらは人間の3次元認識におけるコミュニケーションの場、つまり、スピン±1や0の場(光子やウィークボゾン)を通じて力を媒介します。
陽子と中性子はヒトの精神と付帯質、すなわち、対化です。その等化が思形です。
ヒトとは人間の総体。
ヒトとは人間と全く反対の方向を持つもの。(シリウスファイル)
スピリチュアル系の人たちのためにオマケです。
●倫理的なものの到来
イデアの起源は双対の正四面体(わたしとあなた)にある。この形は互いに交差させることによってケプラーの星形八面体を構成する。この形はスピリチュアル世界ではマカバと呼ばれているが、マカバとはユダヤ神秘主義に登場する「メルカバー(神の戦車)」のことで、元来、物質世界(マルクト)に転落してきたアダムが生命の樹(セフィロト=生成空間)の中を帰還(上昇)するときに乗り込む乗り物とされている。ヌース理論でも事情はほとんど同じと考えてもらっていい。物質の生成運動が展開している場所は物理学も示している通り時空点の内部であるヌルスペースに存在する。意識における双対の正四面体の形成は4次元空間の顕在化を意味し、このカタチが見えたとき、知性は文字通りヌルスペース内の生成場へと侵入することができる。その意味で、ヌース理論では、プラトン立体の本質はヌル空間内部のイデア構造として見なされる。ヌルとはドイツ語で0(ゼロ)の意味を持つ。物理学では「光」の4元ベクトルが0であることから、このヌルは光の代名詞とされている。ヌース理論がヌルポッド(NCの4次元表示バージョン)と呼ぶものは、その意味で「0の容器」「光の容器」の意味がある。決して、ぬるま湯が入ったポットのことではないので注意が必要だ。おそらく、宇宙のすべては「汝」と「我」で作られている。アルケーから見ると、「汝」と「我」は根源語であると同時に、根源粒子としての双子の光子なのである。
I
2006年12月28日 @ 23:08
ありがとうございます、コウセンさん。
このようにケクサチューブルを介してイメージした方が、
カタチ的にも√3エッジ空間を簡潔に描けそうですね。
以下、ヌース的に適切な表現かどうかは分かりませんが、
表相軸の切断面のカタチを仮に直径√3の球空間とした場合、
その基本となる√3なるものを、
1エッジCUBEの対蹠頂点だけから導くのではなく、
より上位の円心構造からどのような「下降」をたどり導かれたか…
ファラオはそこに美しさを見たのかも知れませんね。
またメールにてご連絡差し上げます。
kohsen
2006年12月29日 @ 16:43
Iさん、ご質問にしっかりとお答えできなくてすみません。
文脈から考えいただきたいと思ったもので。。
ヘクサチューブル(正六面体を√3エッジ方向から見たときに見える正六角形)において、1エッジと√2エッジを足し合わせたものと√3エッジがピッタリと重なり合うのは、おおよそ次のような意味があると言えます。
1エッジ………3次元空間における座標軸
√2エッジ………4次元時空において時間が空間に翻訳されるときの比率
√3ッジ………4次元空間における座標軸
1+√2=√3となる意味は、
4次元時空と4次元空間が、4次元認識においては等化されているということ。。
だと思います。
以上、付け加えておきますね。
I
2006年12月30日 @ 14:56
いえいえ、大丈夫ですよ!双貫正四面体でご説明して下さったことと、ヌース辞書での説明とを合わせて、かなりその辺のヌース的文脈と視座を把握することが出来ました。とくに「無限大が無限小に入り込むときの比率1/2」に注目です。本当にありがとうございます。
個人的に考えていることは、例えば「この辺は~を『象徴』します」「~に『翻訳』されます」「~となる『意味』は~において『等化』されているからです」という場合において、それら『』内の言葉は文脈からして読み手側に、こちら伝える側の視座を共有して頂いているという前提になっている為に、もしその前提条件(ヌースでは位置の等化・4次元空間認識でしょうか)が両者間に成立していない場合、ヘクサチューブルというカタチの明解さは逆に読み手に難解となるかも知れないという点です。
以前ブログ(消えた「前」を探せ!!3)で使用された図、ミンコフスキー空間(双曲面)の断面的に使用されたディスク(○*)も同様に、それが数学的に正しい表現なのか、それともアクアフラットの交合円錐的象徴なのか今の私には判断できませんが、「奥行きとは光である」という個人的見解からすると、ヌース的文脈と同じ内容を説明する際にはやはり、Orionの象徴図とされる○十字を使用しある程度まで話しを展開した方が、知覚正面というカタチをより分かりやすく読み手に伝えられるのではないかと思っています。
「角度とは次元を変換(反転)させていく際の力の度合いのようなもの」というOCOTの少し曖昧な表現からしても、例えばヘクサチューブルを回転させ自他合わせて8面の3次元空間をイメージできなければ、正八面体の意味も伝わらないうえ、仮に「√2エッジとは光円錐の斜辺を象徴します」と言ってみても読み手には意味不明なままかも知れませんね。
何かを伝えようと努力はすれども、どの辺で聞き手と視座の折り合いをつければ良いのか、とくにヌースの場合本当に難しく大変ですね。それをなんとか伝えようとされているコウセンさんに、私も手持ちのイデア(カタチ)でもってアシストできるようであれば幸いです。カタチと数字をそのまま言語として用い意味を持たせるというシリウスの観点から、出来るだけ「象徴」という言葉を使わず、誰にでも分かる説明ができるように私も努力したいと思っています。
今回説明して頂いた文脈をどうこちらのメルカバー(I-POD?)と互換性を持たせられるか考えてみます。課題としては、「重力」をどうカタチのなかで表現するかですね。やはりベクトル平衡体に見る、接頭部分に象徴されるのでしょうか。。(でもそれだけでは簡単過ぎる気が…。9thゲートに入るにはやはり√3の端を適度にちょん切りたいのです…)
<2007年、良いお年をお迎えください。>
*外面から観たら人間の天空面とは点の内壁であるというご説明からも分かるように、天空神ヌートとはつまりデュアド(冥界)の扉であり、ヌース的には前反性質の象徴かも知れませんね。
kohsen
2007年1月5日 @ 14:33
Iさん、どうも。
本当に大変です(^^)。こうしてブログを1年以上にわたって書き続けても、僕の空間イメージは何も伝わっていないのかもしれない。。もし、そうだとしても、その責任は発信者たる僕にあるわけでして、僕としてはイメージ不能とされてきたものをいかにイメージ可能とするか、努力し続けるのみです。Iさんも何か優れたイメージがあって、公にして差し障りないものでしたら、是非、ご紹介下さい。
重力の次元は、今のところ、観察子でいうとΩ9というとても巨大な次元に対応させています。ヌース的には超対称性変換の次元はΩ7⇨Ω8辺りではないかと見当づけています。重力が記述される一般座標変換は超対称性変換を2度行うことと同じ意味を持つとされているので、この2度目の変換をΩ7-8の等化であるΩ9と見立てているということです。数学的には難しすぎてよく吟味できていません。
ヌース的文脈ではΩ9はそのまま凝縮化して反対側の次元のψ*9へ入り込みますが、これが平坦な時空であるところのψ*8を曲げることになります。
ψサイドから言えば、このψ*9はψ11として働いているので、Iさんのおっしゃる通りベクトル平衡体と何らかの関係を持っていると言えるのかもしれません。
個人的にはΩ7-8がそれぞれ正20面体、正12面体に対応すると考えています。その筋書きから行けば、重力の次元であるΩ9は12-20相関面体、もしくは菱形30面体当たりが今のところの候補です。
アルティール
2007年1月8日 @ 17:58
こんにちはコウセンさん。Iです。(ハンドルネームにさせて頂いても宜しいですか?)
>本当に大変です(^^)。
メールにも書きましたが、本当に大変だと思います。でも、ヌース理論を通し何かを伝えたいというコウセンさんの姿がこれからも楽しそうであるならば、空間イメージとは別な面でも何か大切なものをこちらに変らず伝えて頂けるものと思っています。
「憧れとは、理解というものからもっとも程遠いもの…」といった言葉に多少なりとも真理があるのならば、楽しく(時には苦しくも)何かを追い求めるという真直ぐな姿勢で自らを生きることなくしては、心から他者の考えに理解を示すことも、自分の主張を聞いて頂くことも出来ないかも知れませんね。一人一人が少しずつ支え合って、結果的には同じ光景かも知れない一つの未来を創り上げることが出来るのであれば幸いです。
>個人的にはΩ7-8がそれぞれ正20面体、正12面体に対応すると考えています。
Ω7-8をψ13-14に対応させて良いのか分かりませんが、やはりここで黄金比が出てくる厄介さに同意致します。数学的には(古代エジプト以外)さっぱり分かりませんが、核散と重力の関係は無視できないかも知れません。こうしてレスを頂けるまでに少し考えてみたのですが、水分子のカタチを精確にヴェシカパイシスにしてはいけないかも知れません。個人的にはその「カタチの遊び」に、何か鍵があるかも知れません。
kohsen
2007年1月9日 @ 14:00
まぁ、「大変、大変!!」とバタバタしていることは言い換えれば人生なわけでして、何事も順風満帆ではつまらないですね。「泣きながらラッキー」の精神で毎日を過ごしています(^^)。黄金比というのはおそらく対化の数比的表現なんでしょう。生命の灯が永遠に消えることのないよう創造の精神が仕掛けた永遠数なのだと思います。
重力に関して正確なところはまだまだ分かりません。