懐かしのパソ通仲間

今日は遠くから来客があった。東北の岩手から来たW氏だ。
W氏とは15年ぐらい前、まだインターネットも普及してなかった頃、Nifty Serveのバソコン通信で知り合った。いわゆるパソ通仲間である。当時、Niftyの中にF-Mistyという不思議・精神世界系の会議室のコーナーがあり、かのオウム真理教や幸福の科学の出店や、マヤ暦、フリーエネルギー関連など20ケの掲示板が設置されていた。その中のしんがりである20番会議室がわたしが担当する「有機体ノウスの宇宙論」会議室だった。まだヌース理論をノウス理論と呼んでいる時期。理論もヘッタクレもあったものじゃない。OCOTと同時中継しながら書き込んだり(もちろん当時はカミングアウトしていないので、誰もチャネルの実況中継だとは知る由もない)、ほんとうにハチャメチャな会議室だった。

 今考えると、ある意味幸せな時代だった。当時はバブル絶頂期の余韻の中で、ニューエイジや精神世界人口が驚異的な勢いで増えていた頃だ。各会議室には日々、日本全国からこの手の怪しげな世界に興味を持つオタクキングが顔を出し、有意義とも無意味ともつかない議論を白熱させていた。ちなみにわたしが管理していた「有機体ノウスの宇宙論」会議室は読者数は多いものの、誰も発言しない会議室で有名だった。訳分からん、ということで、オタクたちですら敬遠していたようなのだ。あまりの淋しさに耐えかねたわたしは、トーラス氏に書き込みを依頼したりもしたっけ。。。そんな枯れ木も山のにぎわい状態の中で、チラホラと書き込んでくれていたのが、このW氏だったのだ。

 W氏はF-mistyの中でも硬派の部類に入る論客で、大学時代フッサールを専攻していただけあって、かなり哲学的な問答をやりとりした相手でもあった。博多を訪れるのは今回が二度目。一度目の来博からすでに10年は経っている。

 平尾駅前で待ち合わせをしたが、わたしの顔を見るなり、「いやぁ〜、半田さん変わりましたね。声をかけてもらわなければ気づきませんでしたよ。」と言ってきた。続けて出て来た言葉が「宇宙人みたいになっちゃって。」

アハ。。まぁ、彼なりの褒め言葉なのだろうが、心中穏やかではないわたし。。普通の服を着て、普通の髪型をして、普通の眼鏡をかけて、わたしとしては至ってノーマルな装いだっだ。一体、この雰囲気のどこが宇宙人なのか?理由は分からないが、とにかく彼にはかなり異様に見えたらしい。びっくり仰天するほど驚いていた。。。わたしとしては、ちと、不安。。

 その後、居酒屋に直行。彼は「シリウス革命」がいたくお気に入りのようすで、二人してひっきりなしにヌースの話題で盛り上がった。ここ数年レクチャーも休んでいるので、コアなヌース話は久しぶりだ。やはり、ヌースを肴にしての酒宴は楽しい。彼は市役所に勤めるお役人だが、最近、環境エネルギー開発課という新しい部署を自らの発案で作ったらしく、その課の副主幹の座に収まっていた。現在はカーボンナノチューブを木炭から作る技術を東レと共同して手がけているそうだ。変人なのだが、仕事はできるタイプ。彼もムダに10年を過ごしてはいなかったのね。よかった。よかった。

「「シリウス革命」はバイブルですよ。この本には人の直観力を刺激するエネルギーに満ちあふれている。技術者たる者、本棚に是非、一冊置いて、アイデアが行き詰まったときに、ペラペラとめくってみるべき。」と何やらやたら褒めてくれる。わたしとしては「シリウス革命」の何が技術に結びつくのかよく分からないのだが、「うれしいねぇ〜、よく分かってるねぇ〜、Wさんは。」と相づちを打って絶えず上機嫌。そのあとは、西田哲学や空海の話や、複素空間の話で大いに盛り上がり、大変楽しい夜を過ごさせていただいた。