PCアディクトの葛藤

 わたしがオフィスで使用している愛機Power Mac G4が突如としてクラッシュ。昨日からその修復作業に追われていた。自宅にはPowerBookやIMacG5もあり、データもバックアップしてあるので、仕事自体に甚大なダメージを与えることはないが、やはり、いつも使っているPCが機能マヒしてしまうと、その修復以外にやる事がなくなるという現実がある。ああ、わたしもまた完全にデジタル社会の捕虜となり下がってしまったか。

 今回のトラブルはちょっと深刻。Norton Disc Doctorで修復を試みるも、何度やっても修復不能と出てくる。起動ディスクに問題があるらしく、Cキーでスタートをかけても起動ができない。何じゃこりゃ?わりゃなめとんのかい、うぉりゃあー。ううっ、とうとうぶっ壊れたか。。この愛機、2002年のヌースレクチャーが始まる前に購入したモデルだから、実働開始してからまるまる4年ほど経つが、たった4年で寿命というのは、控除ペースにも追いついとらんがな。アップル金返せ!!

 あがきは続く。。他の接続機器をすべて外して何度も修復を試みてみるものの、一切反応なし。無力感とぶつけどころのない腹立たしさがスモッグのように下腹部あたりにじわんと広がる。うぐぐぐぐ。完全に手足がもがれた感じ。だ・る・ま・さ・ん・が・こ・ろ・ん・だ。だ・る・ま・さ・ん・が・こ・ろ・ん・だ。。。PCがフリーズするとわたしの全機能も固まってしまう。脳裏に浮かぶだるまさん。左から右へと転がりながらおとぼけ顔で消えて行った。しばし茫然自失。。すると、どこからともなく声が、、おい、コウセン、コンピュータなんぞに使われてはいけない。コンピュータは奴隷としてこき使うのだ、といつもレクチャーで言ってきたではないか。何だこのザマは。偽善者め。

 ムカつきを押さえて、しばし沈思黙考。心のスモッグをすべて排気した後、PCに優しく微笑みかけてみた。愛しのMacちゃん動いてね。明日締め切りの原稿があるのよねんのねん。もう奴隷なんて言わないからさ。そこでヌースで培った位置の変換のテクを駆使して、コンピュータ内部の起動ディスク部に侵入。イメージで適当に破損部をデッチあげ、自慢のゴールドフィンガーで撫で撫でしてヒーリング終了。

「ふぅー、よし!」そして、気合いの再起動。。。クルクル、クルクル。。あ、あかん。。やっぱり、起動中のアイコンがただ空しく回り続けるだけ。うぐぐぐぐ、貴様ぁ、人間さまが下手に出りゃいい気になりおってぇ〜!! ボコ、ボコ、と、拳でボディにきつい2発をお見舞いすることに。

 およ?ブチブチブチち、ち、ち、と鈍い音を立てて立ち上がってくれれちゃったのよねんのねん!!がははは、我が軍辛くも勝利。だるまさんもいきなり万歳三唱。あんた手も足もあるじゃん。よかった。よかった。けっ、分かったかシリコンの化け物め。所詮、おまえはわたしのサーバントなのだよ。。これで2日間の格闘は報われた。そうなのだ。コンピュータに媚びたり諂ったりしてはダメなのだ。今一度言おう。コンピュータにこき使われては行けない。コンピュータは奴隷としてこき使うのだ。
といいつつ、明日、またフリーズしたらどうしよう。。。コンピュータは手強い。下僕とならぬよう皆さんもくれぐれもご用心を。