新型インフルエンザはタミフルエンザ

 さて、なんとも不気味なニュースが世間を騒がせて始めている。新型インフルエンザ流行の恐れだ。インフルエンザウイルスは毎年マイナーチェンジ的変異を起こしているが、数十年間隔でフルモデルチェンジ的変異を起こし、免疫力が全く通じない新種のウイルスへと変身する。こうした新種のウイルスでは、インフルエンザはもはや流感などと言って侮れるものではない。最悪だったのは1918年に起こった「スペイン風邪」の大流行だ。全世界の当時の人口12億人のうち、何と2500万〜4000万人がこの風邪で死亡したと言われている。ちょっと信じられない数字だが、日本でも数十万人死亡したらしい。交通の便も悪く人の行き来もさして頻繁ではなかったあの時代にこれだけの被害をもたらしたということは、グローバル化を謳歌するこの時代、一体、どれだけのスピードで、何人の人が犠牲になるかは推測不能だ。まして,今回予想されるウイルスの型は、H5N1型と呼ばれる全く異種のものなのだ。

 今日のニュースではもし日本で流行の兆しが見えた場合、厚生省は「非常事態宣言」を出すと何気に言っていた。おい、ちょっと待て、そんな大事なことはドサクサに紛れて発表せず、NHKを通じてもっとド派手に特別番組でも組まんかい。おまけに、政府は来年度中までに2500万人分のタミフル(新型にある程度有効とされる薬品)の備蓄を進めているという。何か大変なことになってきたぞ。それだけでも、近年にない異例の騒ぎだというのに、このタミフルとやらを服用した少年二人が異常行動死を起こすという一層薄気味悪いニュースまで入ってきた。一体、何のこっちゃ?そんなとんでもない薬品を備蓄して、国民2500万人にお上を通じて飲ませようというのか?まるで、細菌パニックものの小説みたいな話やんけ。

どうも今回の一連のニュースの流れはブラッキーすぎる。そう思わないか?え〜い、ついでだ。もっとブラッキーにしてしまえ。聞くところによると、インフルエンザ60年周期説というのがあるんだそうな。新型インフルエンザは60年サイクルでトリの世からヒトの世に舞い降りてくるというのだ。まるで、ソドムの天使じゃないか。60年周期というとすぐに思い出すのが竹の開花である。竹の花は60年に一度だけ一斉に花を咲かせ、その後、竹やぶの竹を自ら一度一斉に枯れさせる。それは竹自体が健全に生き延びるために選んだ彼ら独自の繁殖の在り方なのだ。竹は普段はタケノコでいわばクローン的に繁殖して行くが、それが限界になると花を咲かせ有性生殖をして、一種の間引きを行う訳である。その周期が60年というわけだ。もし、インフルエンザ60年周期説が正しい説だとするならば、これもまた自然が選択した人間に対する「正しい繁殖の在り方」の一環なのかもしれない。インフルエンザウイルスには神の意図がプログラムされている。。

 まあ、オウム事件以後、日本人は不安情報ばかりを先走らせたがる終末願望を持っているので、このインフルエンザ関連のニュースに関しても、ここで私が書いているようなトーンのものがこれからたくさん出てくることだろう。しかし、賢い諸君はそんなちっぽけな危機感に右往左往することなく、自分自身が信じる生き方に邁進されたし。実際、ああだこうだ騒いでいるうちが花なのよ。一端、事が始まると、悲劇的現実というものはいたってクールに進行していく。そして,事が終わって10年ぐらいして、アホ面下げて皆んなが言うのさ。「あれって、ほんとにすごかったよね。」って。過去が教訓になることなど稀。悪いニュースはつねに良いニュースなのだ。

——この書き込みがたちの悪いジョークで終わることを祈る。