ロスト・ハイウェイ風呂

 2005年のゴールデンウィーク、あっという間に千秋楽が来てしまった。今日は、連休の疲れを落とす意味で近くのスーパー銭湯にいってきた。わが家は夏になると3日に一回ぐらいの割合でスーパー銭湯通いをするが、今年もいよいよ、スーパー銭湯の季節がやってきた。う・れ・し・い・な。

 さて、スーパー銭湯の醍醐味はわたしの場合、何と言ってもサウナである。もちろん、ただ普通にサウナに入るだけでは面白みはない。実はサウナを使った禁断の湯遊びがあるのだ。名付けて「ロスト・ハイウェイ風呂」。わたしの場合、この「ロスト・ハイウェイ風呂」が夏場の疲れた体をリフレッシュするのにとても役立っているのであーる。今日もさっきやってきたところ。。あぁ、何とすがすがしい気分だろうか。。

 さぁーて、聞くからにあやしいこの「ロスト・ハイウェイ風呂」。そりゃ、一体何じゃいなとお思いの御仁も多かろう。何のこたぁーない、軽くのぼせることである。重くではない、あくまでも軽く、である。以下、サウナを禁断の「ロストハイウェイ風呂」に変える手順を説明しておこう。

0、まずは10分間、普通の湯につかる。そして、すぐさまサウナに直行。
1、サウナに入ったら、入り口からなるべく奥に座ること。階段状に腰掛けがあるところはなるべく上部に座ること。奥や上部の方が室温が高く、湿度が低めなので、汗が短時間でより多く吹き出す。
2、入室時間は最低でも12分。10分では不足なので、必ず12分。この2分の差は極めて大きい。初心者は15分以上の入室は絶対に避けること。のぼせて気持ち悪くなる。
3、サウナから出たら、すぐに水風呂に入ること。このとき、もちろん、一気につかってはダメ。足下から徐々に水に浸しながら首まで浸かっていくこと。首まで浸かったらゆっくりと10まで数え、頭をザッと水の中に沈め、そのまま水風呂から出ること。
4、出たら、とにかく座れる場所を探すこと。風呂場内に置いてある椅子がベスト。ここで、うろうろ歩き回ってはいけない。座ったら、とにかく目の焦点をどこにも合わせず体中の力、顔中の力を全部抜き、ただひたすらボーッとすること。
5、しばらくすると、目の前の風景が上下方向に回転しだす。その回転に合わせて風呂場全体に響いているボイラーの音に注意を向けること。

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 これで、完全にロストハイウェイ空間に入れる。ボイラーの音がリンチがよく使うゴォーという音響効果に変わり、風景のゆらぎは空間を極めて密度の濃い、きちゃってる空間(ゴッホの絵に描かれているような粘液質の空間)に変える。できれば、このとき、顔の表情からすべての理性をはぎ取ると効果倍増である。もちろん、口を開けて、ヨダレをたらすのもあり。そうすると、シャイニング空間も介入してくるのが分かる。ただし、この状態で、他のお客さんに顔を向けないこと。

7、7〜8分で、空間の回転も止まり、意識がもとに戻る。
8、意識が通常状態に戻ったら、洗い場に行き、目の充血を確認すること。充血しすぎている場合は、露天に出てしばらく休むこと。

半分、ジョークで書いてはいるが、半分、本気である。普通にサウナにはいるよりも全然、疲れの取れ方が違うのだ。疑う人は是非やってみるとよい。ただ、くれぐれも、寝不足の人、肥満している人は気をつけること。のぼせてぶっ倒れても当方は一切責任を持ちません。ちなみに高血圧の人にはロスト・ハイウェイ風呂は禁止されています。