魂の光学

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今日は昼から出社。NCジェネレーターに使用するスリップリング部分(回転体に電気を伝える部品)について業者に連絡を取ろうとしていたところ、突如、階下の営業の方から電話が入る。

「パワービーズのイメージ写真を作って欲しい。急ぎでよろしく。今日中ね。」

 今日中ね、ったって、今日は、ジェネレーターの設計も進めんといかんし、夕方からトーラス氏とチョコボ氏が遊びに来ると言っとったし、そげな時間なか、と言いたいところだったが、会社にとって営業は神である。営業には絶対服従なのだ。社長とて例外ではない。なんとか営業の要望に答えるべく、会社にある安物のデジカメを取り出して来て、自分の机の上で蛍光灯を照明代わりに、カシャ、カシャと数枚、イメージショットを撮った。

 ………悲惨。なんやこれは。やっぱ機材があるスタジオで撮らんといい写真は撮れん。。何クソ、ここはPhotoShopで美容整形じゃ。。奮闘すること1時間。どうにかこうにかイメージ通りに修正完了。使用前と使用後。みなさん、わたしこんなに美しくなりました。

 といって、パワービーズの本品が決してブサイクなわけではないので誤解なきよう。あくまでもカメラがボロいのである。この製品のガラスケースはふた上部にNCのマークが入っていて、ビーズのレイアウトも生命力のシンボルである渦状になるよう特別注文したものだ。ケース代だけで5000ロットで500万ぐらいかかっているから、一つ当たり原価で1.000円はする。それにガラスケースにもエネルギーをかけているので、この中にお気に入りの宝飾品などを入れておけば、自然にそれらもエネルギー化される。エネルギーが分かる人にとっては、実に重宝なもの。社長が言うのもへんだが、ただ、ちょっと値段が高いのが玉にキズ。これは代理店などの絡みがあってなかなか価格を変えれない理由があるからなんだが、いずれ、より良心的な価格帯に引き下げるつもりなので、興味がある方はそのときにでもお試しあれ。

 こうして、全く同じ被写体でも、陰影の具合や、彩度、明度などによってガラリと印象が変わることが分かる。日々の出来事を看取する感受性についても同じことが言えるだろう。一つの出来事が起こったとして、それを悪いものと取るか善いものと取るか、醜いものと取るか美しいものとして取るか、それは受け手側の感度の問題なのである。君は被写体深度をどこまで感知できているか。できるならば、この感度の能力を日々、延ばしていくようにするのが望ましい。コントラスト調整はどうだ?うまくいってるか?彩度はどうだ?心地よいか?明度はどうだ?とびすぎてはいないか?君のこころに光と闇があるということは、生きることとは一つの光学だということだ。魂の光学。人は皆、この光学を学ぶために生きている。

おっと、いかん、もうすぐトーラス氏とチョコボ氏がくる。ほんじゃ。