鏡の中に映る背中、
それは記憶の中で、
無限に続く回廊のようにも見える。
ここに描かれた鏡は単なる鏡ではない。
それは世界を迷宮化させるための舞台装置だ。
この装置の中で、
僕は二つに引き裂かれている。
見ている僕と、見られている僕。
よく考えてみよう。
鏡をみているはずなのに、
顔が見えない。
それだけで混乱してしまう。
僕には顔がある。
なのに、なぜ?
答えは「複製禁止」というこの作品のタイトルにある。
僕という存在はほんとはただ一つ、
鏡には決して映ることのない僕が、
鏡の外にいるのだ。
ただ見つめ続ける存在として。
迷宮のようなこの鏡の中の世界を超えて、
僕は、今も尚そこに居続けている。
そのことに気づいたとき、
この悪夢のような鏡の世界の物語は
かけがえのない戯曲へと変わるのだ。

4月 23 2025
「複製禁止」の風景—二重体としての僕
鏡の中に映る背中、
それは記憶の中で、
無限に続く回廊のようにも見える。
ここに描かれた鏡は単なる鏡ではない。
それは世界を迷宮化させるための舞台装置だ。
この装置の中で、
僕は二つに引き裂かれている。
見ている僕と、見られている僕。
よく考えてみよう。
鏡をみているはずなのに、
顔が見えない。
それだけで混乱してしまう。
僕には顔がある。
なのに、なぜ?
答えは「複製禁止」というこの作品のタイトルにある。
僕という存在はほんとはただ一つ、
鏡には決して映ることのない僕が、
鏡の外にいるのだ。
ただ見つめ続ける存在として。
迷宮のようなこの鏡の中の世界を超えて、
僕は、今も尚そこに居続けている。
そのことに気づいたとき、
この悪夢のような鏡の世界の物語は
かけがえのない戯曲へと変わるのだ。
By kohsen • 08_文化・芸術 • 0