物の成り立ちの秘密

言ってみれば、他者とは高次の自己だ。かつての自分を卒業していったものが他者側の人間となって現れている。
だから、当然、自己にも他者側にとっての高次の自己が重なり合っている。それがOCOTが「ヒト」と呼んでいる存在だろう。

「仁(ヒト)」——すなわち、物質が自己と他者をつなでいる倫理(みち)であるということを知っている者たち。

そういう理由から、物質の生成は大きく2段階に分かれる。

一つは、自己側から他者側の場へと意識が渡っていくプロセスの中で生成されるところの「観察される側の物質」。つまりは、非生物。
もう一つは、その他者から再び自己側へと渡っていくプロセスの中で生成されるところの「観察する側の物質」、つまりは、生物。

物質が生まれた理由と、生物が生まれた理由は、このように二重に同時的なものとして重なり合っている。