直線感覚を消せ!対象なんて本当は存在しない

主客一致の思考を生み出すためには、観測者の位置を発見しないといけない。
つまり、自分は一体どこから世界を見ているのか——ということ。

ここに、目だとか、脳だとか、松果体だとか、表象化されたものを持って来てしまうと、事態はますます混乱する。
観測位置とは、ヴィトゲンシュタインが語ったように、外的世界と内的世界の境界にあるものだ。
では、そこはどこなのか。

数学的に言えば、それは3次元における「無限遠点」ということになろう。
直線に無限遠点を付加すれば、円環化する。数学でいうコンパクト化だ。

R^1+{∞}=S^1(直線に無限遠点を加えると円になる)

この位置は、3次元が4次元と接するところでもある。
この無限遠点としての観測位置が、私たちの認識に顕在化すれば、見るものと見られるものは同じものであるということが当たり前のように分かるだろう(下図参照)

加えて、持続が素粒子と結びついているというヌーソロジーの主張も、さほどトンデモとは感じられなくなるはずだ。
無限遠にいることが同時に無限小にいることと同じ意味を持つ、この空間の射影的性質。それが「エーテル」の本質だと考えるといい。

とにかく志向性をユークリッド空間から解放しないとけない。
時空(直線世界)でものを考えている限り、この等化としての円は見えない。
そのような思考の構えでは、この図で描いた赤い円は、いつまで経っても直線世界にくっついた物理的対象にしか見えない。

直線感覚を消せ!!
対象など、存在しないのだ。