他者なき世界には対象は存在しない

外(時空)という概念と対象という概念はセットで働いています。ですから、時空から思考を出すためには、対象概念を消し去る必要があります。では、対象概念を消し去るにはどうすればいいのか。

実に簡単なことです。自分と見るものの関係を「即」で結べばいいのです。そして、この「即」の役割を果たしているのが「奥行き」だと考えましょう。「奥行き」を通して世界を見るなら、もともと、私と世界の間に分離などといったもの存在せず、対象は一気に無に帰すことになります。

対象は概念です。「対象がある」と思ってしまうのは、自分と見えるものの間に「幅」を想定しているからです。この「幅」の想定を与えている者が”他者”なのです。

他者なき世界には対象は存在していません。