“More is different”はヌーソロジーも同じ

自己と他者では「ある」空間と「いる」空間が真逆になっていると言いましたが、互いの「ある」を等化している無意識が物理的に表現されたものが電場振動(+・-)で、互いの「いる」を等化しているのが磁場振動(N・S)です。電磁場はその両者をさらに等化している精神の物理的反映物です。

こうした働きを持つ精神のことをOCOT情報では「人間の中性質(チュウセイシツ)」と呼んでいます。人間の意識が「ある」空間と「いる」空間を区別することができていないのも、裏でこの等化力が働いているからです。等化されている側(これを中和側と言います)では、自己と他者の空間的な差異が見えなくなり、同一化が起こります。そのような同一化の視点で世界を見てるのが科学です。科学は自己も他者も関係なく、人間一般として人間を生物物理的な機能として分析することしかできません。

中和された側にとっては、世界を外部側(延長空間)からしか捉えることができません。時空から差異化している持続空間の存在に気づけないのです。持続空間は「ある」空間と「いる」空間の間に、「なる」空間として内包化して入り込んでいます。それを私たちは「物質」と呼んでいます。
存在の声を聴いているのは「いる」ものの方です。「いる」ものは「なる」へと方向を持っているので、常に「なる」ものから呼びかけられています。人間の意識が「いる」ことを忘れて「ある」の方へ落ち込んでしまうと、存在の声は聞こえなくなります。「ある」ものでしか世界を考えなくなれば、「いる」ことの意味は希薄化し、世界は死に絶えて行きます。それが今という時代です。

ヌーソロジーの役割は「なる」空間を可視化していくことにあります。OCOT情報が「カタチ」と呼んでいるもののことですね。「なる」空間が可視化されてくれば、物質と空間の差異は消えて行きます。内部や外部といったものが意味をなくすということです。そこに生まれてくるのがヌーソロジーが予見する新しい意識形態です。

正直、まだ始まったばかりですから先は長いです。しかし、土台はそれなり出来上がってきています。あとは数でしょう。この辺りはAIと同じですね。モア・イズ・ディファレント——多くの人がこの方向の思考に参画していくことによって、「なる」空間は必ず開いてくると感じています。