ブロッサム2

ブロッサムこの間、このブログでも紹介したヌースコーポレーション初制作のCD「ブロッサム」が今日出来上がってきた。日頃、ヌースのサプリメントを愛用していただいている方々へお礼の気持ちを込めて制作したものだ。前回の予告ではアーティスト名をW氏として伏せていたが、今回はもう解禁だな。知ってる人もいると思うけど、W氏とはNHKスペシャル「家族の肖像」などでも有名な作曲家兼ピアニストのウォン・ウィンツァン氏のことである。ウォン氏は古くからの知り合いで、初めて会ったのは1993年だったと思うから、もうかれこれ14年ぐらい前のことになる。

 当時、マヤ暦の普及活動をしていた高橋徹氏からYaccoという女性を紹介してもらい、そのYaccoが友人のコンサートを主催するので是非来て欲しい、ということで、出向いてみると、そこでピアノを奏でていたのがウォン氏だった、というわけである。当時はウォン氏もほとんど無名で、コンサートと言っても40~50人そこそこの集客しかなかったが、ウォン氏のプレイスタイルとの遭遇は予想外に僕を魅了した。ニューエイジ・ミュージックと呼ばれるものの中には、ただシンセサイザーを多用してスペーシーなサウンドを安易に奏でるだけのものが多い。ウォン氏は正規の音楽教育を途中でリタイアしたと聞いているが、その音を聞けば、ジャズ、クラッシック、現代音楽など様々なジャンルを通過してきたものでなければ表現し得ないセンスの厚みがあることがすぐに分かる。ライブのときは特にそうだ。ときにラベルぽかったり、サティぽかったり、急にオリエンタルなムードで一杯になったり、いきなりセシル・テイラー張りのフリージャズになったり、キース・ジャレットっぽいリフが出て来たり、本当に幅広い素養を感じさせるアーティストなのである。

 ウォン氏のメインの売りのスタイルは、あえて言うなら、宮崎アニメでもおなじみの久石譲に代表される叙情的POPスピリチュアル路線なのだが、そんな中でも個人的にウォン氏が傑出していると思うのは、鍵盤に触れている指のタッチとピアノアレンジのストイックなまでのシンプルさである。一音一音の響きをいかに大切にしているかが音色からそのまま伝わってくる。その姿勢は楽曲の組み立て方にも表れていて、ウォン氏の作る曲には無駄な装飾がほとんどない。注意深い和声の組み立て方やテンションを内声でぶつけるか外声でぶつけるか等、その曲想、曲調に合わせて実にコンパクトな和声アンサンブルでまとめあげられているのだ。派手さこそないが、贅肉をそぎ落としたとてもスリムな作りになっていて、オルゴールを聞いているかのごとく飽きがこない。そして、そのタイトな作風がこれまた独自の透明感あふれる叙情空間を作り出す。

 さて、ヌースコーポレーション初制作となったCD「ブロッサム」は、人の心の闇と光というコンセプトから立ち上がった。ヌースでいう人間の内面と外面の意識である。心の闇なくして心の光は感知できない。光は闇が受け取るものであり、闇は光が受け取るものである。そうした相補性があってこそ初めて心は成長して行くことができる。こうした人の心の在り方は植物の成長する姿と似ていなくもない。地上で燦々とした陽光を浴びて咲く花たち。かたや、土中で闇中を這い回る根たち。花なくして根はなく、根なくして花はない。花と根はほんとうのところは一心同体の生き物なのだ。どんな苦しみの中にも喜びの種子がある。どんな悲しみの中にも歓喜の天使は羽を休めて待機している。単なる慰めなどではなく、ブロッサム=花開く、ということは悲しみや苦しみの変成の振る舞いである。そんな命の在り方を僕らは日々生きている——こういった内容の短文と曲のタイトルをウォン氏に送り、それをもとに曲を書いてもらったのだ。

 とにかくウォン・ウィンツァン氏が作曲した珠玉の小品集(2曲入り)、欲しい方は11月1日より12月31日までの2ケ月間、ヌースのサプリを買うと無料でついてきます。尚、CDのみの販売は諸事情により行っていません。詳しい情報をお知りになりたい方は下記アドレスをチェックして下さい(サイトも11月1日よりオープンします)。
ヌースアイ