4月 13 2023
時空が反転すると、そこはもう物のなか
見るものは3次元の中にはいない。それを3次元の中に閉じ込めているのが今の科学的人間観。この閉じ込めをどうやって突破し、人間を3次元から連れ出すか。それを同じく科学的思考で行うこと。そのための動線が量子論。量子世界に認識をアジャストさせて行けば、見るものは必然的に3次元から出ていく。
量子力学というのは実は反転した時空について記述している学問だと思うといい。時空は反転するとパカッと二つに分かれる。これらが自己他者それぞれの内在性を担保する空間になっていて、僕らが物質粒子と呼ぶものになってる。当然、この二つの物質粒子が共同性を持つと時空となって現れてくる。
僕らは、この「パカッ」の世界をまだ知らない。だから、時空の中が世界だと思ってる。でも、それは大間違いで、僕らの内在性から時空が生まれていて、宇宙はそこから自他の内在性の進化によって自然の様々な多様性を生み出している。ヌーソロジーがやってるのは、そちらの世界に戻ろろうよというお話。
この帰還するための次元飛行艇の見取り図がこんな感じ(下図参照)。Φさんがいつも数式で紹介してくれている「スピノルのテンソル積」の空間ってやつ。反転が見えてくると、こうした物理学的概念もとてもシンプルなものだということが分かってくるよ。さぁ、みんな、この飛行艇に搭乗しよう。お迎えはもう来とるよ。
この次元飛行艇に乗れば、ハイデガーが言うように、「物を物自身のほうから現れてくるとおりに、物自身のほうから見えるようにする」ことができてくる。そこは今僕らが見ている世界とは風景は同じでも、まるっきり違う異世界。なんせ自分自身が時間となって現れる世界だからね。
4月 19 2023
アイオーン(永遠)へと意識の重心を移すこと
「表相の等化」・・・これはヌーソロジーでは、スピノルの半回転が持つ働きのことを意味する。表相とは一つの対象の見えの位相のことをいうが、表相には奥行きとしての精神(持続)が同居しており、結果、物の回転を通して表相が自他の精神を等化している。この図の<ψ|φ>の意味もそこにある。
私たちは何気に「球面上の点P」などと言って、簡単に点Pを措定しているが、それ以前に、4次元空間でこうした<ψ|φ>の運動が起こっている。球面上に現れている点Pはその結果だ。φは自己の精神、ψは他者の精神である。それらの共同によって精神は現在化され、対象として時空と共に現前しているのである。
まだまだひ弱い描像だが、アイオーンから見た物の様子の記述に多少はなり得ているのではないかと思う。永遠が紡ぎたす、こうした現れては消えゆく現在を持続は次々と回収し、そしてまた現在を送り出していく。アイオーンはクロノスとしての時間をそのようにしてじっと見つめている。
こうした時間の全体運動から見ると、人間とは表相に生産されてくる瞬間性を受け取っているものたちのことである。彼らにとって、アイオーンは過去としての記憶の場所の役割しか果たしていない。それもこれも、現在こそが自分の場所だと思い込んでるからだ。
アイオーンへと意識の重心を移そう。そして、自分自身を時間の生産者へと変えていくのだ。それは不可能なことじゃない。
誰もが時間となってこの世界に出現したときのことを想像してみよう。それは光の脱皮と言ってもいい出来事なのだが、そのとき世界は新しい光たちで満たされる。言うまでもなく、そこに出現する世界は光の共同体と言っていいものだ。こうした世界が本来のパルーシアだ。
By kohsen • 01_ヌーソロジー • 0 • Tags: アイオーン, スピノル