5月 13 2005
夢はUFO
今日は昼過ぎから気功家のY氏が事務所においでになられた。Y氏は総勢数百名を抱える福岡気功の会というNPO団体の代表で、おそらく日本で最も秀でた気功家の一人である。来月行われる予定の気功の会総会の件で打ち合わせにいらしたのだ。というのも、その会でわたしが記念講演を依頼されているからだ。何を隠そう、わたしが初めて人前でヌースに関する講演というものを行ったのも、このY氏率いる福岡気功の会の第一回目の設立総会のときであった。1992年のことである。あれから実に13年の月日が流れているが、当時はまだ、36歳。今になって思えば、記念すべき第一回総会にどこの馬の骨かも分からない若造をよく招いてくれたものである。怖いもの知らずのわたしは、そこで光の話をし、超光速とは意識の世界である、といったような話をした。総勢150名ぐらいの聴衆がいたが、そのうち30名ぐらいがわたしの話に尋常ならぬ関心を持ってくれ、話をもっと聞きたいということになった。そうやって、始まったのが福岡ヌースレクチャーである。
Y氏とわたしの似たところは三つある。まず、互いに「健康」でゴハンを食べさせていただいているという点。次に、と言って心身の健康を必ずしも一番の価値とは見なしていないという点。最後に、もっと大切なのは魂の健康だと豪語して止まない点。以上である。Y氏曰く、健康になるための気功を気功だと勘違いしている人が多すぎる。わたし曰く、ヌースグッズやヌースサプリがヌースだと思っている人が多すぎる。二人顔を見合わせて「御意。」二人に共通する最も強い欲望は自分自身の魂の健康を保ち続けたい。ただそれだけなのだ。「御意。」そのためには自分がやりたいことを死ぬまでやり続ける、それが一番である。「御意。」そして、そのやりたいこととは器官なき身体の獲得!!「御意、御意。」その意味でわたしは13年前と何一つ変わっていないし、おそらく、Y氏も変わっていない。13年後も言わずもがな、である。もう一つ「御意。」
さて、13年ぶりの演壇で何を話そう。。気とヌース理論のただならぬ関係?それとも、この13年のヌース理論の歩み?どっちにしろたった2時間程度でヌースは紹介しきれない。。などと言って悩んでいると、Y氏が一言。「半田さん過去はいい。未来についてやろう。」ということで、テーマは一気に「夢はUFO」ということになってしまった。わぁお、いいねぇ。Y氏は人生の楽しみ方をよーく心得ていらっしゃる。よし、ここは、一発、ぶちかまそう。
ちなみに福岡気功の会のサイトはこちら→ http://www5b.biglobe.ne.jp/~kiko-fka/
5月 17 2005
香禅の家元
東京出張、3日目。今日は代官山の駅前にある高級マンションをR社の藤本氏とともに訪れた。香禅道家元のFさんを尋ねるためだ。Fさんは、「人神」を読んで痛く感銘され、是非、半田さんの活動をバックアップしたいとR社に電話されてきた人物である。藤本氏がまずコンタクトを取り、面白そうなご婦人だということだったので、今日、直接、お会いすることにした。
高級調度で囲まれた居間の方へと通され、さっそくご婦人のご婦人による自己紹介が始まった。いやぁー、話を聞いて、多少、驚いた。何と、この初老のご婦人、20数年前、シュタイナーを初めて日本に持ち込み、高橋巌氏をバックアップして翻訳等を勧めた仕掛人だとおっしゃるのである。わたしが「それじゃぁ、Fさんは日本の霊性運動の仕掛人のような方じゃないですか」と言うと、他の人脈関係についていろいろと話された。当時のシュタイナー教室に鎌田東二氏や松岡正剛氏などが顔を出しており、彼らとも旧知の間柄であるとか、さらには、カバラ研究者の大沼忠弘氏の勉強会を東京で最初に開催したり、中沢新一氏をご自身の塾に招きよくレクチャーを開いていたとか、他にも、石川光男氏や、甲野善紀氏、津村喬氏など、その手の世界では著名な人の名が出ていた。
一度お会いしただけなので、どこまでが本当の話かは分からないのだが、Fさんのすごいところは、若かりし日に、将来、何の心配もなく哲学三昧できるように金を稼いで置こうと考え、それを見事実行されたことだ。本人曰く、女手一つで不動産関連の事業に携わり40代半ばまでに○○億単位の財産を作ったらしい。それからは、ずっと霊性に関わる活動を続けられているという。現在は香道と曹洞禅を組み合わせた香禅道という流派を作り、全国に4000人のお弟子さん持たれているそうである。実際にインターネットで検索してみると、たしかに彼女の名前がある。
さて、自己紹介が一段落したあとで、Fさんから正式に次のような申し出があった。「あなたの宇宙論はとても新しいと思うの。わたし是非応援したいわ。うちの原宿のビルをお貸ししますから、一緒にやっていきませんこと?」とても有り難い話ではあった。都心の一等地で小ぎれいなレクチャー会場を借りるとなれば、どんなに安くても一日5万円程度はかかるからだ。しかし、その場で丁重にお断りした。不用意な甘えがあとで取り返しのつかない失敗となることは多々ある事だ。過去にそれは痛いほど経験している。純粋な贈与というものは、このように交換経済が発達してしまった人間の世界ではなかなか成立しにくいと思った方が無難である。お断りするに際して、わたしはFさんの心遣いを尊重する意味で、注意深く言葉を選んだ。
「Fさん、Fさんがやられるべきことは、ヌース理論のような特定の理論を支援することではないと思います。それこそ、昔のように、日本の将来の霊性運動を担って行くような様々なジャンルの人たちが集まるようなサロンを作られたらいかがでしょう。そういう場であれば、わたしも喜んで出席させていただきます。ヌースに関しましては、いずれわたし自身の主催で東京でレクチャーを再開致しますので、そのときは是非、遊びにおいで下さい。それからの応援でも全く遅くはありません。」
おー、我ながら、いい受け答えじゃんか。今日は冴えとるばい。傍にいる藤本氏もうんうんと頷いている。
「あなたのおっしゃる通りね。」
彼女の顔が子供の笑顔のようにほころんた。新しい時代の夜明けを夢見続けているこのご婦人の脳裏を、そのときよぎったものは何だったのだろうか。若かりし日の鎌田氏や松岡氏か、それとも、第二の中沢氏や高橋氏だったのか。いずれにしろ、彼女の屈託のない笑顔を見た瞬間、わたしはなぜかとてもいいことをした気分になった。
By kohsen • 10_その他 • 0 • Tags: カバラ, 人類が神を見る日