12月 11 2023
ヌーソロジーのモナドロジー
ヌーソロジーはモナドロジーでもあるので、その理解というか実現においては、「包みつつ包まれる」という空間感覚の目覚めが必要になる。この感覚が4次元認識のベースとなるものだ。
この「包みつつ包まれる」空間感覚とは、空間は物質を包みつつも、同時に物質に包まれてもいるという感覚なのだが、空間を延長的なものと見ているだけでは、空間は常に物の外部として表象されるだけで、内部に入り込む感覚は生まれようがない。観察自体が起きている「奥行き」にもっと注意を払ってみてはどうか。
「奥行き」は数学的には射影空間になっており、そこには長さというものが存在しない。奥行きは現実の知覚においては常に一点同一視された形でしか現象化しておらず、それは知覚上は無限小にまで収縮しているとしか言いようのない空間なのである。
延長性から逃れたこの異形の空間こそが私たちの精神の場である。純粋持続はこの場所で私たちの意識に直接与えられている。
奥行きに幅をあてがっている一般の空間認識では確かに空間は物質を外部から包んでいるように見えるが、これはあくまでも他者の知覚世界を自己がコピーしているからである。幅化していない奥行きの方は、そのまま物質の内部、つまり内包化していると考えないといけない。
つまり、奥行きは無限大と無現小を等化しているのである(対称性を形作っているということ)。これは、私たちの世界に対する観察位置が無限遠点となっているからに他ならない。そこにおいて空間がコンパクト化し、4次元空間に接続しているのだ。
ここで生じている4次元空間(物理的には虚時間)が私たちの内在野、つまり持続空間の入り口になっている。
ここでは時間が永遠として空間化し、物質の発生論的な次元と、意識の発生論的な次元が同居している。
ここで目撃されてくるのは、他者側から生まれている同様の次元との精神における弁証法の運動だ。
ここでは、包みつつ包まれ、また、包みつつ包まれという無窮の差異化の運動が双方から、水引きの結びのようにして多重に展開している。
この結びと開きの運動のもとに生産される差異と反復が一方では物質的知覚(感性)の場として、また一方では言語感覚(思形)の場として発現し、私たち人間を構成しているのである。
人間の本性とは空間である。
12月 13 2023
ヌーソロジーがやっている存在感覚の取り戻しの方法
「いつでも今、どこでもここ」というのが身体が持っている時間性と空間性です。つまり、自己自身が感じている身体というのは時空にはないものなんです。非局的なものだということですね。
この非局所的感覚(持続感覚もしくは永遠感覚と言ってもいいものです)が、他者視線によって麻痺させられてしまっているのが、今の私たちなんですね。
決して難しいことを言ってるわけではありません。本来はそちらの方が当たり前の感覚なんだろうと思います。
でも、外的視線によって作り出された無数の概念が自己周りに何層にも巻き付いているために、この感覚をなかなか取り戻せないでいる。長年ヌースの話をしてきて、それを強く感じます。もちろん、自分も含めてです。
素粒子の構造が役立つのは、その非局所的空間の地図を判明な形で地図化しているからです。素粒子が内在させているトポロジカルな概念は外的視線を意識から払拭する力を持っています。
古代由来の曖昧な神秘主義に手を出すより、この地図をしっかりと思考の力(反-思考の力といった方がいいかもしれない)によって辿る方が、超越的なものを持ち込むことなく、極めて自然に存在感覚を取り戻すことができるはずです。
⚫︎自己に二つのものの重なりを発見すること
当然私たちが感じている自己感覚というのは、時空と持続がミックスされたものになっています。ベルクソンが言ったように、この二つが判別つき難く混雑化してしまっている。
この混雑化をまずは解かないといけない。そのために、ヌーソロジーは「人間の内面」と「人間の外面」という場所の区別を幾何学的に整理して、それぞれを言語の場と知覚の場として明確に区分しようとしているわけです。
人間の内面には鏡像的自我にルーツを持った外的自己がいます。一方、人間の外面には存在にルーツを持った失われた主体としての内的自己がいます。ヌーソロジーにいう付帯質=ψ6と精神=ψ5の関係です。
私たちが個の意識と呼んでいるものは、この二つの場所の重なりが基盤となって生じているということ。このことをまずは深く自己自身の中で自覚しないといけません。
現代の個人主義が社会と個の間のダブルバインドによって右往左往してしまうのも、この重なりが意識できていないからです。
鏡像ベースの個人主義はエゴイズムに行き着くしかありません。個人主義を訴えかけてきているのは真の主体の方です。本来、個人主義というものは霊的個体化の中にしか息づくことができないということです。
内的自己の場所を発見しましょう。すべてはそれからです。
(下イラストは、この文章をそのままプロンプトにしてChatGPTに描かせたものです)
By kohsen • 01_ヌーソロジー • 0 • Tags: ChatGPT, ベルクソン, 付帯質, 素粒子