12月 15 2005
ハイリスク・ノーリターン
今日は保険医の健康診断を受けた。別に新しく保険に入ったわけではない。10年間ごとに掛け金が変更される現在加入している保険のシステムに嫌気がさして、掛け金生涯一律のものに切り替えたのだ。そのためにオシッコまで採取される始末。尿検査をしたいのはむしろこっちの方だ。あんたんとこの会社の役員のオシッコのサンプルを全部調べさせろ。全員グルメ通いで糖尿になってるんじゃないのか。そんな会社は信用できないぞ。。と心の中でブツブツいいながらも、おとなしくオシッコが入った紙コップを手渡すわたし。
世界から消えて欲しいものを一つ挙げろと言われたら、わたしの場合、まず真っ先に「国家」を挙げるが、もしあと三つ挙げろと言われたら、迷うことなく、「銀行」「証券会社」「保険会社」の三つを挙げるだろう。こやつらは、国家という大親分の保護のもと、合法的に賭博を行い、場代や掛け金の一部をかすめとっていく胴元連中である。この胴元連中が最近、好んで使う言葉が「リスクヘッジ」というやつだ。——いかにして危険を回避するか——全く馬鹿げた言葉だ。他人のふんどしで相撲を取っているのだから、もともとあんたらにはリスクなどない。なのにあたかもリスクを負ってるかのようなフリをする。これがどうも気に入らない。絶えず安パイだけを捨てて一向に勝負をしない連中に一体何のリスクがある?
保険屋の起源には諸説があるが、保険業自体は、もともとは海運業における積荷の保険から始まったといわれる。昔の航海はそれこそイチかバチかの賭博的要素が強いものだった。保険業者はその資金の何割かを貸し付け、船が無事に戻ってくれば、そのの荷から挙がる収益の何割かを貸し付けの利子として取った。航海につきもののハイリスクを背負ったからこそ、利子としてハイリターンを要求できたのだ。あの英国のロイズ社だって、もとはと言えばコーヒー豆の海運業への貸し付けで始まったと聞く。
航海とは未知の領域に繰り出し、未知の価値を命を賭けて探査に出かける行為である。今の時代、そうした乗り物に乗って未知の大海に出かけるやつは少ない。丘の上の家の中で温かな暖炉の前に年中居座り、ハイリターンを要求する輩がいかに多いことか。そういうやつに限って「リスクヘッジ」という言葉を呪文のように口にするのだ。銀行や証券会社や保険会社が金のためにしか金を使わないのと同様、リスクヘッジが口癖の連中は自分のためにしか自分を使わない。そんなもののどこにリスクがある。バーローめが。本当にリスクを背負って生きる人間の辞書にはもともとリスクなどといった語彙は存在せんのじゃ!!
ここでいきなり保険医さんの声が響いてくる。。
「半田さん、ここにサインして下さい。」
「あっ、はい。」
「こことここにもね。」
「あっ、はい。はい。」
わたしもしっかり資本主義社会の一員に組み込まれてはいるが、未知の大海への憧れだけは捨ててはいない。早く船を造ろう。大波を乗り切って進むことのできる船を。この船造りに金は要らない。
12月 21 2005
初恋の水
昨夜遅く東京出張から帰ってきた。現在、東京のK博士のもとでNCジェネレーターでヌース化した水の物性分析を進めてもらっている。試料として選んだ水は逆浸透膜で濾過した水で純水として分類される精製水である。これは超軟水で、ミネラル分は0.2mg/L位でほとんど入っていない。水分子に対するジェネレーターの影響だけを知りたいのでなるべく純粋な水でないとダメなのだ。
純水の場合、PHは6.5程度を示す。若干酸性になるのだ。何も混じってないはずなのに、どうして中性(PH7.0)にならんのか。最初は疑問に思ったが、何のことはない。純水の場合、空気中の酸素や炭酸ガスの溶解能が高くなるので、若干酸性に傾くらしい。注意深く味わってみると、確かにちょっと酸味がかかってる。面白いことにヌース化した方は若干甘みが加わり、全体としてはほんのちょっと甘酸っぱくなる。はは、これは宇宙の初恋の水だな。。
この初恋ウォーター、ある程度のデータが出たら商品化することを考えている。来年の夏までには何とかしたい。実際、いろいろな測定データは9月ぐらいから取り始めているのだが、いかんせん、比較分析は検体数も倍になるので費用もかさむ。一月に一つの試験というのが精一杯のところだ。A化成の基礎研究所の方に依頼していたNMR(核磁気共鳴)による緩和時間測定(1H核測定)ではほとんど誤差レベル以上の変化が見られなかった。先月行ったO-17測定でも変化ナシ。くぅ〜、今のところNMRではひっかかりそうもない。
しかし、そろそろ物性レベルでも変化は出てきていいはずだ。NMRはひとまずお休みして、今度は赤外線吸収スペクトルにチャレンジ!!
はい、はい、はい、出てきましたよ。出てきましたよ。O-HとH-OHそれぞれの結合箇所に同様の変化のパターンが確認される。いわゆる水分子の仰角部分のエネルギー振動部分にかなりの差異が見られたのだ。やはり、量子レベルで何らかのエネルギー変化が起きている。。。2回の測定で、同じような傾向の変化が起きているので、K博士からもまず間違いないと太鼓判を押してもらった。博士の提案で今度はテラヘルツレベルの振動を見てみようということになった。これは分子の並進運動方向の振動状態が見れるらしい。博士が言うには、いい水の条件は同じ温度でもテラレベルの振動が低くなる方がいいという。水分子の並進振動はいわゆる他分子との接合に関わる。温度を下げればエネルギーは減り振動は下がる。それにつれて分子配列は秩序を持つ。氷がいい例だ。と言って、低い温度の水が体にいいというわけではない。ここが水の難しいところだ。この水分子の並進振動は今流行のクラスターというやつと深い関係にあるそうだが、詳しいことは全く分かっていないという。水を販売している業者が口を揃えて、当社の水はクラスターが小さく〜云々というが、実際はクラスターを解析できる装置など現存しない。ましてや、クラスターが小さいから体にいいかというのも定かではない。すべて憶測である。
だから、水のスペクトル振動に好ましい変化が見られたとしても、それが体にいい働きをするとは必ずしもとは言えないわけだ。現象面ではヌース化された水には数えきれないほどの様々な実績があるのだが、正式な製品化のためには、やはり緻密なデータ収拾が必要である。先月は試しに生体反応測定(AMI測定)を行ってみた。AMI測定とは経絡の状態を診断する装置で、真皮層を流れる微弱な電流の変化を検知し、その変化を見るものだ。この測定でも明らかにヌース化した純水を飲むと、普通の純水を飲んだときよりも高い数値を示し、免疫力を高めるという結果を得た。——確かにNCジェネが水に何らかの変化を与えているのだ。
NMRは失敗に終わったものの、T大医学部での微生物実験、赤外線スペクトル実験、浸透圧実験、AMI測定実験、これらの実験ではすべて面白いデータが出てきている。まだまだやりまっせ。確固としたデータが出そろえば、NCジェネは立派な一つの技術になる可能性を示すことになる。一種の量子医療技術だ。宇宙が経験する初恋の水。。。神がコーラホールへと侵入していくときそれは生まれる。そんな水は今のところ世界中どこ探したってないだろう。頑張れ神さま、永遠の女を口説き落とすのだ。
By kohsen • 10_その他 • 3 • Tags: NC-generator