12月 28 2005
真夜中のradio gig
iTuneのラジオプログラムからGroove Salad on SomaFMの128 kbpsをセレクト。ご機嫌なアンビエントテクノが流れている。渋いリズムを刻むハイハット、スローテンポで弾むファンキーなベース、バックに流れるシンセストリングス。それらを背景にしてコロコロとした手触りのフェンダーローズピアノのムーディーな旋律が流れて行く。真夜中に自分の室内を音楽で満たすのは何ヶ月ぶりのことか。。。久々に気持ちのいい夜だ。ただ、このラジオがインターネット放送というのがちょっと残念。ラジオはやっぱり電波がいい。ひっそりと寝静まったいくつもの街を眼下に見下ろしながら、漆黒のヴェールに篩をかけてやってくる電波。そういう電波がいい。そうは思わないか?
真夜中のFM-radio——オレたちの世代はそこで幾つもの夢を見てきた。想像してみるといい。ひっそりと眠りについた真夜中の街。その上空をjazzyなテクノやsoulfulなアンビエントのビートが次から次へと見えないウェーブとなって流れていく。見えるやつはそれをオーロラのようだと言う。いや、大天使の裾衣と言ったヤツもいた。都市の上空を軽やかに旋回するelectric groovesとmagnetic stream。そこでは聖霊たちのマスカレードが始まっている。よくあるだろう。良い子がお眠りしている間、オモチャたちが子供部屋の中を所狭しと遊び回るメルヘンチックな世界。ある意味あれと同じだ。ダンシングゲートを通って次から次に紹介される天使たち。ようこそ、バリアフリー・ミューズの王国へ。君の十八番を聴かせてもらおうじゃないか。マービン・ゲイ風、ファンカデリック風、ジェームス・ブラウン風、おっと今度はいきなりレディオヘッド風。実にいい。何てご機嫌な夜なんだ。こんな夜に眠る奴はバカだ。いや、ひょっとすると、こいつらはここで人間の夢見の世界を操っているのかも知れないな。
音楽には来るべき世界のすべてがある。音楽とはケイブの中に響き渡る創造の残響音なのだ。だから、音楽は本来は夜の領域に棲むものだ。昼間の出来事,事物はすべて夜の音楽の影だ。昼の音楽は死んでいる。あれはノイズだ。昼に殺されている。だから、オレは夜中の音楽、それもとびきり真夜中の音楽が好みなんだ。オマエもオレと一緒に月まで飛ばないか。そっとradioのスイッチをturn onさせるだけでいい。そしてtune in。どうだ、分かったろ?「リゾート/resort」とはこういう世界のことを言うんだぜ。
12月 29 2005
掃除の理屈
セカ、セカ、セカ、セカ、サッ、サッ、サッ,サッ,ゴー、ゴー、セカ、セカ,ホイ、サッサ。ときたもんだ。
昨夜から鳴りっぱなしのアンビエント・ミュージックをBGMにして今日は自室の大掃除。部屋の隅にあるコンセントのところに風で吹飛ばされたタバコの灰が吹きだまりのようになっている。うっ、汚ねぇー。と一気に掃除機で強引吸入しちゃれと思いきや、コンセントが外れコンピューターと掃除機が機能停止。ふいに訪れた静寂の中をタイミングよくカラスの鳴き声がカァカアと響き渡る。。ムキッ!!面倒くせぇ〜。
わたしは生来の無精である。掃除は盆前と年末の大掃除の時期に年2度ぐらいしかやらない。これは実は致命的な欠点である。どんなに綺麗ごとを並べ立てていようが掃除ができないやつは人間失格だ。労働なんぞはできなくてもいい、しかし掃除はデキるやつにならなくてはならない。何度そう自分に言い聞かせたことか。しかし、これがなかなか難しい。掃除は自分自身の魂への無料奉仕である。よって、掃除は「汝,為すべし」の号令ではなく「我、為すべし」の自覚的作業のもとに行われる。掃除だけは労働ではないのだ。
実を言うとプライベートな空間というのはあまり好きではない。いや、正確にいうと一人の部屋は好きだが、自室を自分の王国にするような飾り立ては好きではない。だからわたしの場合、あっ、ここは半田広宣の部屋だなと思われるような趣味・嗜好のものは、書物以外ほとんど置かない。たまった私物はさっさと捨てる。モノを大事にしない人と言われればそれまでだが、自分の部屋に自分の痕跡を遺すのはあまり好きじゃないのだ。よって、年に2度のこの記念行事は、整理整頓というよりも痕跡の消去として執り行われる。だから、45リットル入りゴミ袋が4〜5袋はゆうにいるのだ。あるわ、あるわ、無用の長物。まぁ、それだけゴミが貯まっているということだが。
わたしの場合、出張が多いので 過去10年間の間、1/10ぐらいホテル暮らしをしている割合になるが、わたしは自室よりもホテルの部屋の方が遥かに落ち着く。そこには自分の痕跡が一切無い。タブラ・ラサの世界。掃除はそうした白紙状態の再現として行われることが望ましい。だから、今日は徹底的にやる。ごきげんよう。
By kohsen • 10_その他 • 1