1月 12 2018
今日のヌース用語 【同性】
【同性(どうせい)】
表相の働きと位置の働きが等化されること。表相を交差するものが位置の働き。位置を交差するものが表相の働き。全体と部分を等化した力のこと。点次元と面次元の関係性を併せ持ったもの。
この「同性」は4次元認識を作るための需要な概念です。いつも言っているSU(2)とSO(3)の重なりを認識するところに生まれる力です。分かりやすく言えば、対象の直径に当たる部分に、観測者の奥行き(持続空間)のすべてが集約されてあるということ。物理学的には物質粒子のスピンに相当しています。
今回のシュタヌー本では位置の表相への入り込みを次のような図で表現しています。P.437「空間のコンパクト化」(下図参照)
「空間のコンパクト化」の図では、奥行きが対象の内部へと入り込んでいっていますが、奥行きは射影線なので、この入り込みを対象の直径部分に重ね合わせても意味は同じと考えて構いません。対象は3次元空間、奥行きは複素空間。バイスペイシャルです。
カタカムナ風に言うと、アマウツルマリがアマヤドルマリへと舞い降りてくる光景ですね。幅の眼差しで見ていた宇宙空間全体が奥行きの眼差しへと変わることによって、すっぽりと一つの物の中に入り込んでくる。
この感覚が生まれてくると、星々が地上に降りてきて、世界の秘密を耳打ちしてくれるようになりますよ(笑)。
3月 26 2018
未来の地球
バイスペイシャル認識が空間に関してはマクロとミクロの重なりをイメージ化させるということはすでに話した。では、時間に関してはどうだろう。時間も同じく、流れる時間と流れない時間という二つの時間を同居させてくる。マクロでは時間は流れるが、ミクロでは時間は持続そのものに変化するからだ。
これらの感覚の形成によって、物理的なものと心的なものがもはや識別不能となる世界が現れてくる。これはドゥルーズのいう〈結晶イメージ〉というものに近いのだが、この世界ではもはや現実と想像は等価なものとなり、過去と未来は現在に付着し、文字通り時間は結晶化し、私たちの内的現実が姿を表す。
こうした世界がヒルベルト空間の内部の描像であると言ったら、物理学者が笑い出すのは必至だが、奥行きを虚軸と見なし、そこに持続を見るなら、そのような描像が成り立つ。その意味で言うなら、時間の結晶化とは素粒子内部への思考の侵入と言い換えていいのかもしれない(下図参照)。
もちろん、ここに示した図では時間と空間の出処が不明のままだが、私たちが慣れ親しむ通常の時間と空間は、自己の持続空間が他者の持続空間と出会い、さらに巨大な結晶化を生むところで生成されてくるもの、ということになるだろう。持続イメージ同士が結ばれ、物質となって立ち現れてくるのだ。この図の一段階上にその領域はある(これがいつも話しているSU(2)の場所)。
そこまで明確にカタチが見えてくると、無意識における最も基本的な生成のループが朧げながらも感受されてくることになる。これは無意識の反復が行なわれている第一の回路のようなものだ。それが意識化されれば、時間と空間は外在であることをやめ、われわれの内に内在化するはずだ。
それは、ハイデガーのいう「二重襞」が見えてくる現場でもあるだろう。持続が物質へと変身するその身振りを誰でも目撃することができるようになるということだ。外側から見た物質と内側から見た物質との調和関係の樹立と言ってもいい。
ヌーソロジーが予言する精神と物質の統合とは、そのようにして行なわれていくはずだ。換言すれば、物質が物質自身を精神として語り出すのだ。そのとき、今の人間形態は世界の表舞台から消えていくだろう。
まだまだ遠い先のことになると思うが、こうして、地球は人間不在の本来の地球へと戻っていく。
By kohsen • 01_ヌーソロジー • 0 • Tags: SU(2), ハイデガー, バイスペイシャル