3月 3 2009
地球、月、太陽の本質(2)
■解説
さて、前回の交信記録19940320の内容をについてだが、構造を丁寧にやっても退屈だろうから、今回は寓話調でざっと解説してみよう。地球と月の回転に対するイメージをまずはつくっていただきたい。では、はじまり、はじまり。。
旧約の信徒たちは地球を回しているのは天使たちだという。大天使ルシフェルが神に謀反を起こしたとき、ルシフェル側に着いた天使たちがいて、その数が365人だったというのだ。そして、その反対に神側についた天使たちも365人。その指導者はミカエルだ。ルシフェルの軍勢VSミカエルの軍勢。力は互角。この勢力の拮抗は月が決してウラを見せないことに表れているという。
地球の自転は僕らに時間という認識を与える。日が巡り、星が巡り、その移り変わりによって四季が息づき、地上にはたくさんの命が同じように新しい生命を生み出しては死に行き、死しては生まれる。しかし、いつの頃からかこのような円環的時間の巡りは忘れ去られ、直線的時間が人類の意識を支配するようになった。ミカエルの軍勢の時間が「円」ならば、おそらくルシフェルの軍勢の時間は直線だ。いや、それはより直裁的に歴史と言い換えてもいい。年表がつねに直線に沿って記述されていることを思えば、歴史というものがいかに直線的時間に魅せられているか一目瞭然だ。
「直線とは究極の迷路である」というボルヘスの言葉を信じるならば、僕らが現在抱いている歴史の観念もまた迷路と言える。何処に行き着くのか分からない歴史の果て。その先に希望があるのか、それとも絶望が待っているのか。歴史の上を歩み続ける人間はまるで判決のときを待つ囚人のようではないか。
OCOTとの交信が始まる以前、僕はNOMIという意識体と交信をとっていた時期があった。もう25年ぐらいも前のことだ。この愛すべき暗黒の友は地球は魂の流刑場だと語っていた。そして、地球は虚無に向かって絶えず落下し続けているとも。もちろん、この落下は単純な直線的落下ではなく、クリナーメンのように絶えずズレを作り、渦も巻くし、多少の停止もする。しかし、全体的に落下し続けていることに変わりはない。NOMIに言わせれば、文明とはそうした流刑者たちの強制労働の結果であるという。まぁ、暗黒の友だから口は悪い。ご勘弁を。
人間が地上に都市を建築していくこと、そして、そこで鉄骨を天に向けて空高く積んで行こうとすること。それは建築ではなく落下だということなのだ。そして、この落下を背後で阻止し続けているいる力があり、それが月だという。月はちょうどクルーザーの上で巻き取られていくリールのように、海底奥深く沈んで行こうとする地球の落下をそれこそアリアドネの糸で懸命に引き戻そうとしているというわけだ。
例えば、地球が28回回るということは、28×24=672時間の直線的時間を落下したことになる。月は地球とは反対方向にそのリールを1回転回して、地球の落下を食い止めようとする。地球の落下を作用とするならば月はその反作用として回っているというわけだ。グルグルと機械的に回っているようにしか見えない地球と月。しかし、漆黒の宇宙空間ではまさに闇の天使の軍勢と光の天使の軍勢の熾烈な戦いが繰り広げられているということなのだろう。それにしてもこの戦いは恐るべき精度で拮抗している。作用と反作用と言われればそれまでだが、この拮抗は戦いというよりは、むしろ闇と光の調和と呼んだ方がふさわしい。
しかし、ここでふと疑問が頭をよぎる。なぜ、地球は落下し続けなければいけないのだろうか。歴史という闇、直線的未来という不透明な場所に向かって、なぜ、地球は堕ちていかなければならないのか。それが分からない。NOMIは言う。「地球を流刑場に決めたのは神だ」と。確かにルシフェルを天上界から追放したのは他ならぬ神であった。では、なぜ神は天使長たるルシフェルを堕天させなければならなかったのか。旧約には神が自分を出し抜こうとしたルシフェルに怒り心頭して追放したとあるが、こんな傲慢な神こそ世界から追放するべきである。だからその類いの記述は真実には触れていない。
おそらく事実は全く逆なのではないか。神はルシフェルに絶対的信頼を置いていたに違いない。だからこそ地上に落としたのである。神が自らの成長のために敢えて汚れ役をルシフェルに頼んだのだ。ちょうど、イエスに諭されてユダが密告者の役を買って出たように。
そういう経緯だらこそ、神とルシフェルの間には誰にも知られていない密約があると考える必要がある。そして、その契約が交わされているところが月。大いなる女の場所なのだ——ルシフェルよ、おまえが引き連れたかわいい365人の部下たちが無事、天上世界へと戻れるように、わたしはミカエルに命じて、その365人の天使たちの妻を月に住まわせよう。もちろん、おまえの部下たちは天上での記憶を忘れているので、それが自分の妻とは知らず敵と思って戦うことだろう。しかし、時が来たら必ず、妻の顔を思い出すように手配しておく。時が来ればおまえにも召還命令を出すことになろう。そのときは二人して世界の成就を祝うときだ。
月はこうして神とルシフェルをつなぐ固い絆となった。365人の堕天使の妻たちは神の聖数である「13」にちなんで13のグループに分けられ、28×13=364として一年を形作るための力となった。これは月のリールがアリアドネの糸を13回巻き取とることを意味しており、神がルシフェルとの友愛を保証していることの証左に他ならない。364+1=365の1において、一年と一日は一致を見、この一致が天上と地上の一致の証左となる。ピラミッドテキストにいう「神々の1日は1年であった」という円環的時間の本質がこの一致にあるわけだ。
このことから、一年=地球の公転とは1日=地球の自転(落下)を促進させている本質力と言えるだろう。地球の自転に対して月の公転がそのウラを取り、そして、その月の公転のウラを地球の公転が取る。ヌーソロジーの言葉で言えば、付帯質の外面(オモテ)→付帯質の内面(ウラ)→精神の内面(ウラのウラ)という関係で、1日と1月と1年は結ばれているということだ。
天動説と地動説とを和解させるためには、この1日と1月と1年との対称性を取り戻さなければならない。それがヌーソロジーのいう不動の地球、月、太陽の意味なのである。
上画像はhttp://www.nashica.com/astro/feature.htmlからの借用です。
3月 10 2009
ヒトの精神構造としての太陽系(1)
さて、現在の時点でヌーソロジーが太陽系についてどのようなイメージを持っているか追記しておこう。
OCOT情報によれば、太陽系は「ヒト」と呼ばれるところの高次元意識体の精神構造が人間の意識するマクロ空間に投影されたものだという。ヒトの精神構造とは人間の意識の交替化を等化作用と見なす精神の構成である。簡単にいえば、此岸と彼岸の変換対称性を保存するための精神の構成場だということだ。もちろん、ここでいう此岸とは超越論的主観性としての自己、彼岸とはその主観が決して触れることのできない絶対的外部としての他者のことを意味している。自己を「一なるもの」としての個とすれば、他者は「多なるもの」としての種でもあると言えるが、太陽系という存在者は交渉不可能と考えられているこの二つの意識領域をかたや内惑星系、かたや外惑星系という形で互いに補完し合いながら意識の交通空間を作り出しているということらしい。
内惑星系(地球~火星)は人間の個的基体の意識発達を促す精神構造として働いており、外惑星系(木星~惑星X)の方は人間全体、すなわち種的基体の意識発達(歴史的無意識の発達)を促す精神構造となっているようだ。その意味でいえば、ヒトの精神(Ω7=木星)とは、個的意識を種的意識へと変換している力だと言える。このことから太陽系における内惑星系と外惑星系は「個」と「種」の意味において相似関係にあると見てよい。「自」と「他」の関係に沿ってそのまま反転関係にあるわけだ。
まずは太陽系の諸惑星と観察子の対応を挙げておく。
■太陽系と大系観察子の対応関係
1、大系観察子Ω1(顕在化におけるψ7)………地球
2、大系観察子Ω2(顕在化におけるψ8)………月
3、大系観察子Ω3(顕在化におけるψ9)………水星
4、大系観察子Ω4(顕在化におけるψ10)……金星
5、大系観察子Ω5(顕在化におけるψ11)……太陽
6、大系観察子Ω6(顕在化におけるψ12)……火星
反覚醒領域 ……アステロイドベルト
7、大系観察子Ω7(顕在化におけるψ*7)……木星
8、大系観察子Ω8(顕在化におけるψ*8)……土星
9、大系観察子Ω9(顕在化におけるψ*9)……天王星
10、大系観察子Ω10(顕在化におけるψ*10)…海王星
11、大系観察子Ω11(顕在化におけるψ*11)……冥王星
12、大系観察子Ω12(顕在化におけるψ*12)……惑星X
反覚醒領域 ……カイパーベルト
大系観察子Ω6(火星)とΩ7(木星)の間に存在しているアステロイドベルト(小惑星帯)は、個体意識が種的意識に進化していく際に、奇数系観察子と偶数系観察子が転倒した流れが作る意識次元の射影として出現しているようだ。つまり、Ω7~Ω8において、ヒトの精神であるΩ7が先手として働くか、その付帯質であるΩ8が先手に働くかの違いである。
Ω7が先手とした意識の流れはそのまま外惑星領域へと向かい、Ω8側が先手に回った意識は中和によって顕在化が見えないために再びΩ1へと送り還されるというシステムだ。この送り還された意識次元というのは人間そのもの意識次元を意味するので、アステロイドベルトとは結局のところ、反動的生成を持った人間の意識次元の太陽系における射影ということになる。いつも言ってる「カタチのない精神」としての有機体の場のことである。この精神の「カタチのなさ」が小惑星というバラバラな、いかにも力が飛散させられたような状態と関係しているのかもしれない。
ここで人間の個体の無意識を調整する内惑星の働きをケイプコンパスに照らし合わせてざっと俯瞰してみることにしよう。例によってヌーソロジー特有の難解な言い回しが出てくるが、ここではケイブコンパスにおける意識の進展性(矢印で表している流れ)にだけ注意を払ってもらえばよい。
■1、大系観察子Ω1~Ω2………地球と月(元止揚の対化)

●地球=Ω1………人間の元止揚の顕在化
人間の純粋知覚が構成されている領域で、その起源は観察精神と呼ばれる精神構造におけるすべてを等化した精神にある。光=現象そのものと言ってもいいだろう。これは神智学的にいえばエーテル界と考えられる。エーテル界はシュタイナーによれば射影空間的性質を持っているという。実際、人間の外面の空間(知覚正面)の在り方は射影空間となっている。ただ、ここで留意しなければならないのは、顕在化においては地球はψ7=Ω1だが、潜在化(人間の意識の覚醒が起こる前)においては地球は人間の内面側で働きを持っており、エーテル界ではなく物質界として働いている。つまり、人間の意識では人間の外面が無意識化しているということだ。
●月=Ω2………人間の元止揚の反映の顕在化

観察精神が対化として方向を持ったためにその相殺として生じている中和の位置を意味する。一言でいえば人間の肉体の生成次元と言っていいだろう。知覚という機能に対する胎児の形態形成場のことである。地球がエーテル界ならば、月は物質界に対応すると思われる。ただし、潜在化においては月と地球の働きは転倒しており、月は人間の外面側(エーテル界側)で働きを持っていると考えられる。
■2、大系観察子Ω3~Ω4………水星と金星(元止揚の対化の交差の方向性)
●水星=Ω3(ψ9)………人間の思形の顕在化
元止揚の対化が交差を行っていく次元の顕在化を意味する。水星は反対側の人間の精神=ψ*7に方向を持つことによって、人間の内面を交差する力を持ち、人間の内面の観察を形作る働きを持つ。いわゆる外在世界の観察次元である。人間の意識では外在の観察は言語として行われている。その意味で水星は言語認識の力であると考えられる。人間の内面には知覚は存在していないので言語によって観察されている事物はすべて知覚をコピーした妄映なであり、それゆえにこの次元は「人間の思形」と呼ばれる。思形とは文字通り「形を思う」働きのことである。この次元は神智学的にいえば低次メンタル界の働きと考えられる。
●金星=Ω4(ψ10)………人間の感性の顕在化
金星は反対側の付帯質が人間の精神に方向を持つことによって、人間の外面を交差し、人間の外面の意識を形作る働きを持つ。いわゆる知覚世界を感受し、感情を形作る意識の働きである。金星は精神=ψ7の方向を持っているために意識の分断化が弱い。「人間の感性」と呼ばれる。平たくいえば「人間のこころ」のことだ。神智学的にいえばアストラル界の働き。
■3、大系観察子Ω5~Ω6………太陽と火星(人間の精神の対化における等化とその中和への方向性)


●太陽=Ω5(ψ11)………人間の定質の顕在化
人間の思形と感性を等化する力の領域。前半部と後半部で二つの異なった働きを持っている。前半部は水星の方向性を反対側の精神の顕在化へと変え、人間の精神の対化の等化を行う。人間の精神の対化の等化とはψ7とψ*7を同一化させるという意味である。この同一化によって人間の精神の力は人間の内面(外在世界側)に働きを持ち、感性から切り離された理性の力によって抽象思考能力等が生じてくる。後半部は、理性が人間の外面への方向を持つ部分だ。ここにおいて理性はこころを等化する働きを持ち、個体意思=自我の確立がここで行われてくる。
●火星=Ω6(ψ12)………人間の性質の顕在化
太陽の付帯質としての働きを持つ場を意味する。太陽と同じく働きが前半部と後半部で二つの違う働きを持っている。前半部は人間の外面である知覚の場を意識から切断させる作用を持っている(人間の内面*が介入してくるということ)。これは主体自身を単なる物質的肉体として認識させる作用のことである。この作用によって火星は金星的(知覚的)なものとの対立を作ることになる。知覚が外されているという意味で火星を♂(男性原理)とすれば、金星は♀(女性原理)と言える。知覚の忘却によって個体意識の肉体への密閉化を促す。後半部は、密閉された状態のまま、他者の場との同一化を弁証法的に強要される部分である。結果、一つになりたいという欲望が闘争を生み出すことになる。
長くなったので、外惑星領域については次回にまわそう。
By kohsen • 01_ヌーソロジー • 0 • Tags: アストラル, エーテル, ケイブコンパス, 付帯質, 内面と外面, 大系観察子