10月 28 2009
次元観察子ψ3とψ4のワーク素材
ヌーソロジーが用いる次元観察子という概念の入り口は、その重要性を考えるならψ1〜ψ2というより、ψ3〜ψ4だろう。これらの観察子は、現在の人間の意識において一般に主体として感覚化されている位置を肉体内部から対象側へと交換するための役目を持っている。ψ3は人間の外面、ψ4は人間の内面と呼ばれる。ψ3が主体空間、ψ4が客体空間である。
人間の内面認識=ψ4では、対象の周囲を主体が回転しているように見えるが、人間の外面認識=ψ3では主体は全く回転しておらず、回っているのは外界の方である。その様子をちょっとアニメートしてみた。
最初に出てくる映像は人間の内面認識で表示した観測者と対象の関係だ。内面認識ではψ3(外面の位置)はブルーの線を半径としてその回転によって張られる空間となる。一方、ψ4の方はレッドの線を半径としてその回転によって張られる空間となる。これら二つの空間ψ3とψ4は互いに反転していることに注意してほしい。
途中、人間の外面であるψ3がオーバーラップしてくるが、何のことはないこれは観測者から見た知覚正面像そのもの様子である。ψ3空間においては対象の手前に自分が存在しているという感覚はない。ただ世界の現れそのものが自分である。
実に単純なことなのだが、この映像の強度によってどちらが主体の位置を正確に言い当てているかはすぐに察しがついてくるのではないだろうか。もちろん、途中で挿入されている知覚正面像(ψ3)の方である。
主体に固有のアイデンティティーを持たせているものは脳やDNAなどではなく、この不動の知覚正面世界と考えるのがヌーソロジー空間のポータル(入口)である。そのことに気づいてくれば位置の交換の達成はもう半分終わったも同然だ。あとは持続(記憶)と時間の関係がどこに位置しているかを考慮しさえすればいい。
11月 6 2009
『BETWEEN TIDES 生命の音楽 第二章』
年末に東邦大医学部の大野さんとの対談の企画が持ち上がった。主催してくれるのはアーティストの日比野さん。去年の暮れも日比野さんのコーディネートでマヤ暦の日本への紹介者でもある高橋徹氏との対談を行ったが、今回はその第二弾ということらしい。題して——BETWEEN TIES 生命の音楽 第二章——。
大野さんとはもう10年以上の付き合いになるが、渡瀬恒彦似のナイス・ミドルで、飲み屋にいったら確実にモテモテのタイプだ。その点ですでに劣勢なのだが、さらにヤバいと思われるのは今回の対談の内容がおそらく「生物界」においての生命力を中心とした話になるのではないかということ。コーディネーターの日比野さんも、大野さんもシュタイナー思想にかなり詳しい。シュタイナー思想における生物観とヌーソロジーにおける生物観は極めて酷似しているのだが、いかんせん、ヌーソロジーは未だ素粒子近辺をうろついていて、単なる素粒子から一体いかにして生物という自己組織化の能力を持った物質のシステムが生まれてきたのか、その論証については、まだまだ具体的なビジョンが立ち上がっておらず何とも心もとないのだ。要はヌーソロジーはまだまだ青臭くて生物の話が苦手だということ。ひぇー、どげんしよう。。。
昔、僕はよく、単なる物質世界と生物世界の関係を「火と土」と「風と水」の関係に喩えて話していた。つまり、火と土は鉱物的世界(無生物と言ってもよい)の象徴で、その火と土の世界に風と水が加わることによって生物の場が誕生するのだと言ってきたということだ。ここでいう火と土はイデアの力と言ってもよいのだが、この両者の力はある意味、線形的で、直線的な生成活動として現れる。鉱物の結晶などがそのいい例だ。この働きの場は地殻や地球内部で想像されるようにケイ素と熱(火)の力で成り立っている。
生物にとって、まぁ、動物に限って言えば、この火と土の現れは「骨」だ。骨はカルシウムという鉱物を主成分として、あたかもロウソクから立ち上がる炎のような形態を持って動物の体躯を支えている。
ならば筋肉や内蔵を生成させている力の淵源はどこにあるのか——それが風と水で象徴されるロゴスとパトスではなかろうかと考えるわけだ。これらはイデアという通底器に沿って動いている精神と心のようなものである。この風と水が再びイデアを求めて運動を繰り返していくことによって、その間、経験する逡巡、矛盾、落胆、理解、歓喜、慟哭、憎悪、安寧といった情動の数々が生き物の原型を作っているという感覚が僕の中にはどうしてもある。
イデアはロゴスとパトスを生んだ。何のため?
それはイデア自身が新しいイデアとして自らを再生させるため。
それ以外に一体、何の進化があろう?
まぁ、こんな抽象的な感覚しか実感としては感じていないから、とても論理立てて生物について話せるような知識も技量もない。しかし、大野さんの持った生物に関する博識な知識と日比野さんが持った女性アーティスト特有の鋭い感性にシュタイナーの世界が加わり、その連合隊にヌーソロジーが玉砕覚悟で体当たりすれば、何か新しい生命の飛沫が飛び出してくるかもしれない。また訳の分からないことを吠えまくるかもしれませんが、お時間がある方は是非、遊びにいらして下さい。きっと今まで聞いたことのない生物観が三者の間で爆裂すると思います。
この対談イベントに関する詳しい情報はこちらへ→『BETWEEN TIDES 生命の音楽 第二章』
By kohsen • 01_ヌーソロジー, 02_イベント・レクチャー • 0 • Tags: イデア, ロゴス, 素粒子