2月 7 2013
存在の内部へ
奥行きと幅の間にはあらゆるパラドックスの原型がある。その意味で言えば、奥行きと幅は哲学のパトスが発生する十字路とも言える。人間の思考の原理が同一性に依拠することと、人間が幅で世界を構成していることとはたぶん同値だろう。
奥行きが幅に浸食されることは、ハイデガー風に言うなら、被投された存在を意味している。外化した時間のことだ。奥行きそのものの中には内化している時間(持続)があり、この時間の方へリアルを感じ取るためには、奥行きが持った風景を可能な限り前景化する必要がある。
ただ、難しいのは、奥行きに身を投げ入れることがドゥルーズのいう差異化であるのならば、その風景は常に差異化を続けていくことによってしか、立ち現れることがない、ということだ。というのも、差異は所与のものではなく、所与を与える側のものだからである。
現代物理学の宇宙創成論は、奥行きで起こった出来事を幅の中で表現してしまっている。これを再び、奥行きにおける出来事として書き直すことが必要だ。それは存在をもの自体の次元から認識し直すこととも言えるが、それこそが「創造」の意味にほかならない。
わたしとは光である、に始まり、わたしはいかにしてクォークへと変身し、いかにして原子核へと変身し、いかにして元素体へと変身していくのか。こうした変身の物語を自らの奥行きの中に目撃していくこと。それは、シュタイナーのいうエーテル体、アストラル体、自我の開示に等しい。
2月 26 2013
京都で講演会やります
2013年になって、身の回りが結構あわただしい。1月には横浜で「宇宙食堂」というレストランを経営しているAさんから講演の依頼があり、顔見せ興行ということでヌーソロジーのさわりの部分を話してきた。今月に入ってからは某出版社から対談本の話があり、昨日はその第一回目の収録を行ったところだ。来月は、京都で関西ヌーソロジー研究会を立ち上げたKさん主催の講演会に呼ばれている。再来月はすでに神戸と熊本から声がかかっている。
今までもたまに講演会のお誘いはいろいろとあったのだが、基本的には丁寧にお断りしてきた。というのも、講演会というのはだいたい長くても2時間ぐらいの持ち時間しかないので、なかなかじっくりと腰を落ち着けて話ができないからだ。ヌーソロジーの醍醐味というのは全く違った概念の大系で世界を再構成していくことにある。こうした内容は単発の講演会ではとても話しきれるものではない。表面だけをなぞっても結果的に訳の分からない話になってしまう。そういう理由から、講演会というのは極力、避けるようにしてきた。しかし、時はすでに2013年。『2013: 人類が神を見る日』の著者としては、今年はほんとうに人類が神を目撃する年になるのだということを証明しなくてはならない。神を目撃すると言っても、神が空から降臨してくるとかいったそんなものではない。人類一人一人が実は創造者のポテンシャルを秘めた存在であるということを覚知するという意味だ。そのメッセンジャー役として今年は精力的に動き回ろうと思う。
ということで、さっそく来月行う京都での講演会の告知を。
主催者は関西ヌーソロジー研究会のKさんです。Kさんは2009〜2010年に博多で行ったヌースレクチャーに全回出席していただき、現在、不定期に開いているヌースアトリウムにも、大阪から毎回参加していただいています。幼少の頃からイデアの世界を探求されていたようで、ヌーソロジーに出会ったとき、自分がそれまで考えていたイデアのあるべき条件をヌーソロジーが展開するイデア論がすべて満たしていると感じたそうです。それからというもの、ヌーソロジーの哲学を一般の人たちにも分かりやすく噛み砕いて、初心者レクチャーなど関西で展開されています。
☆半田広宣 2013講演会 in 京都 概要☆
日 時:2013年3月16日(土)
受 付:午後1時~
(開演/午後1時30分~午後5時30分迄)
会 場:キャンパスプラザ京都 4F 第3講義室
定 員:170名
参加費:
一般前売 3,000円 (一般当日 4,000円)
学生前売 2,000円 (学生当日 3,000円)
主 催:関西ヌーソロジー研究会
事前申し込み等、詳しい内容はこちらへどうぞ→http://www.kansai-noos.com
By kohsen • 01_ヌーソロジー, 02_イベント・レクチャー • 6 • Tags: イデア, 人類が神を見る日, 関西ヌーソロジー研究会