10月 24 2018
魂の反撃のために―とりあえずの総括
「前」と「後ろ」の話で始まったヌーソロジーの外面・内面談義ですが、詳しくやっていくと終わらなくなるので、このへんで簡単にまとめておきます。
先日UPした図からも分かるように(下図再掲)、人間の内面では自分から広がる広大な時空として見えていたものが、人間の外面では「一本の線」へと変貌します。詩人アンリ・ミショーは自分の死の経験を「一本の線」として語りました。
まさに、その線の姿がこの3次元球面上の直径(円環です)に当たる部分に表現されていると考えるといいでしょう。ミショーにとって線は決して眺める対象などではなく、自身の生を支える魂そのものだったわけです。人間の外面で活動する持続空間とはその意味で、死の空間と言ってもいいものになります。
となると、この図で赤で示した時空の方は、私たちが生と呼んでいるものの空間に対応していることになります。しかし、青の空間がなければ赤の空間が認識に上ることは決してありません。ベルクソンの言うとおり、時間や事物の運動は持続があってこそ、初めて意識化されるからです。
まさに、この図は「生死不二」のダイアグラムになっているわけです。
このように、時空意識にとって、死の世界は物資の内部性に息づいているのですが、時空意識はそれを外部側から物質としてしか触れることができません。これが「付帯質の外面」と呼ばれる領域です。一方、「一本の線」である奥行きを通じて感覚化されてくる物質の内部側が「付帯質の内面」の領域です。
つまり、
人間の内面(赤)は付帯質の外面。
人間の外面(青)は付帯質の内面。
このへん、とてもややこしいですが、内面・外面はそれぞれ進化と反映の方向性を意味する言葉なので、進化が時空内から時空外に向くとき、内面と外面の方向も反転してしまうんですね。
今まで皆目見当もつかなかった生と死の方向感覚を、たとえ漠然としたものであれ、物理学的知見を用いて予測することができるだけでも、この3次元球面と3次元双曲面(時空)の相互反転のダイアグラムが持つ意味合いは大変、有用なものではないかと感じています。
OCOT風の表現で言うなら、「方向だけではなく、力が生まれる」ということです。
10月 26 2018
内なる宇宙は絶対的中心を持っている
絶対的中心の発見―これはヌーソロジーの空間認識に入るための鉄則だね。
人間の外面が顕在化を起こすことは、この絶対的中心が意識に上がってくることと同意。絶対的中心の浮上は「精神の外化」と言い換えてもいいね。外に内が見えてくるということ。ヌース用語で言うなら、「垂質」が作り出すもの。垂質とは4次元の意に近い。
絶対的中心の位置は、例の「観点の球面化(キットカット缶の回転)のワークで見出される中心点のことだが、裏を返せば、あのワークは無限遠点(主体の位置)を一つの球面としてイメージさせるためのワークにもなっている。
絶対的中心点とその球面として感覚化されてくる無限遠点―ここにおいて見出されてくる球空間は、数学的は3次元射影空間と呼ばれるものと同型になっている。
3次元射影空間は下図のような空間としてイメージするといい(下図2番目)。図では一点でしか接していないが、この空間は二つの球空間が互いにその表面でくっつきあったような形をしている。観点の球面化を起こした自己と他者の関係を表した空間と言っていいだろう。ヌース用語では「垂質の対化」と呼ぶ(右の球体の中心点はOではなくO*に訂正)。
この垂質の対化の位置をヘキサチューブルで表現すると下図3番目のようになる。垂質の対化は二つの正四面体が交差する正八面体が骨格になって作られているのが分かる。
わたしたちが普段、表象している3次元空間の方はその下のψ3~4に内接する正八面体に対応している。階層が一つ下だ。
ところで、ここでいう「垂質の対化」というのは、先日、「魂の反撃のために―追記3」のところで紹介した球体と同じものと考えて構わない。あの図(下図最後)では、人間の内面側に生まれている空間を二次元双曲面に対応させていたが、観測者の自転(この自転が球面の形成に当たる)の自由度を考慮すれば、これはそのまま3次元双曲面となって「時空そのもの」を表す。人間の内面側は、いわゆる自分原点とした後ろの空間の広がりのことだ。
こうして総合的に構造が見えてくると、私たちの現在の空間認識においては「前(奥行き)」が全く意識化されていない―というヌーソロジーの問題提起の意図が、皆さんにおいても徐々にハッキリしてくるのではないだろうか。というか、そう願っている。
このように、ヌーソロジーが語る高次元認識とは、決して巷にいう超能力や霊能力のような類いのものではない。誰でも、ある一定の思考の手続きによって作り出せていけるものだ。そのあたりをくれぐれも間違えないように。
By kohsen • 01_ヌーソロジー • 0 • Tags: ヘキサチューブル