2月 19 2009
燐光に照らされた顔
●交信記録19940311——1
DNAの中のリン酸とは思形の中の3番目の次元ですね。
はい、対化の内面性がすべて生み出されているところと言えます。
DNAの中の糖とは思形の中の5番目の次元ですね。
はい、付帯質の等化を意味する次元です。
DNAに寄生してくるウイルスとは何ですか
性質の交差によって生み出された付帯質が内面を持つことにより、カタチが等化されたもの
クローン技術が進んでいますが、前にはこのことを「人間が人間の方向を無に帰している」と言われました。一体、クローン細胞の中では何が起きているのでしょうか。
精神の交差が内面を持つということを位置としては失なわさせている状態です。
DNAの中のリン酸とは思形の中の3番目の次元ですね。
はい、対化の内面性がすべて生み出されているところと言えます。
■解説
正直言って、DNAの世界はまだほとんど見えていない。ただこれらのOCOT情報から、皆さんもDNAの世界がいかに高次の精神活動の産物であるか、わずかながらも見当がつくのではないだろうか。現在の科学ではDNAは偶然の化学変化の積み重ねによってできた産物のように見なされているが、ヌーソロジーの観点からすれば、DNAの生成は空間に潜む人類には未だ知られていない高次元精神の活動状況だと言える。その解明はまだ途に着いたばかりだが、ここでその内容を少しばかり紹介しておこう。
まず、注目すべきはDNAを構成する元素群である。DNA分子を構成する元素はなぜかH(水素)、C(炭素)、N(窒素)、O(酸素)、P(リン)の5種類の元素に限られている。これらのうち、H、C、N、Oの4つは、前回話したように、中和作用が持った反復性として生成の中に組み込まれた観察子群に対応させることが可能だ。しかし、不思議なのはなぜそこに原子番号「15」であるリンがいきなり介入してきているのかということだ。一体、このPってなんやねん?何でこんなもんがDNAに混じっとるねん?
実はこのリンという元素、生物学ではDNAのみならず生体のエネルギー代謝には欠かせない元素となっており、おまけに、リン脂質として細胞膜や皮膚の形成にも深く関わっている曲者なのだ。リンについての与太話は以前「存在の皮膚」というタイトルで詳しく書いたのでここではリフレインは避けるが、とにかくリンは先に挙げた生体主要4元素を別とすれば、生物が生物であるためのアイデンティティー的存在と言える。
存在の皮膚→ http://www.noos.ne.jp/cavesyndrome/?p=2168
さて、ではなぜリンなのだろうか——別のところでOCOT情報は「リンとは人間を次元に関与させるための力」だと言っている。これは前回の言い方をすれば、リンが生成世界に人間という闇を引き入れるための役割を持った精神として作用しているということを意味している。僕はつねづね「人間は神のウンコだ。人間は生成から疎外されている」と言ってきたが、実際には、人間は宇宙精神が有機物を作り出すためには必要不可欠な存在であり、DNAの生成に至っては人間の意識次元がその土台を担っていると言っても決して言い過ぎにはならないのではないかと思っている。有機体としての人間。カタチを持たない精神としての人間。リンの位置を凝縮化バージョンで表したケイブコンパスで指し示すと下図1のようになる。煩雑さを避けるため奇数系観察子のみで記そう。(※ここでは前回までの流れに沿って、精神の内面次元を上側に置いている)
このリンの位置は、現時点でのヌーソロジー解析では顕在化した次元観察子としてのψ*3、つまり、他者の知覚正面に当たる。つまり、ここで精神は彼岸へと到達しているわけだ。この位置は人間の意識にナルシス的自我を与えるための最初の契機となる「鏡」の機能を持つ精神の位置を持つ。他者の視野空間と言えばもっと分かり易いかもしれない。
この次元観察子ψ*3は図には表していないが、下位(付帯質の外面)に実は次元観察子ψ4を引き連れてくる。このψ4とは何かというと、モノの手前に「わたし」という存在が位置づけられていることによって派生してくる人間の認識における空間の3次元性のことだ。つまり、リンは3次元空間の概念を作り出す根本的な原因となっている力なわけだ。おそらくその意味なのだろうか、OCOT情報では、リンは別名「付帯質の念因(ネンイン)」とも呼ばれている。僕が人間の内面(物質空間)のことを仄暗い空間と呼ぶのも、人間の内面の基礎であるこのψ4の球空間が、リンが放つ燐光、つまり、他者が見ているであろうわたしの背後世界を照らし出している想像的な光によって生じていることを常々イメージしているからだ。当然、この光は盲人でも捉えることのできる光であり、ボルヘスによれば、それは深い藍色だという。まさに深海の色だ——自分の顔を見ている他者の視野空間を想像すること。また、その視野空間によって自分の顔がイメージされていることを確認すること。。
このリンの原子番号「15」は奇しくもタロットカードでは「悪魔」に相当するナンバーでもあるのだが、ここには偶然とは思えない奇妙な一致がある。それは英語でのリン(phosphoros)の語源がギリシャ語の「光をはこぶもの」という意味を持っているということだ。これは知っての通り、ラテン語ではルシファー(Lucifer=光を運ぶ者)の意となる。
他者とは彼岸に存在する神同然の存在だとヌーソロジーでは常々言ってきた。しかし、このオカルト的符合は、他者とは同時に容易に悪魔にも成りえる対象でもあるということの教唆なのだろう。神と悪魔とは、実のところ、同じものを二つの異なる角度から見たときの別々の呼称にすぎないのだ。確かに、他者の眼差しは「わたし」という定点を発生させるためには必要不可欠な存在だが、その眼差しに「わたし」が囚われの身となり、遂にはその眼差しそのものに「わたし」が同一化し、「わたし」がわたし自身の眼差しを放棄するまでにいたったとき、世界は一挙に暗闇と化し、わたしは一人、闇を徘徊するオイディプスと化す。「透明な存在」における受動的ニヒリズム。これがOCOTのいう「精神進化の方向性を失ってしまった力」の世界、つまりスマルのことだ。この構造から垣間見れる教訓が一つだけある。それは彼岸へと渡る道には二通りのものがあるということだ。ひとつは自己克服の道で、一つは自己放棄の道。後者は人間の惰性力で容易に到達することができるが、そこにはもはや精神は存在しない。前者は自己を生き切ったときに初めて見えてくる場所なのだろう。存在のエチカがここにある。
冒頭の図が示す通り、このリンはDNA分子の中ではP04(リン酸)として組み込まれているが、このリンに付着した4つの酸素原子は宇宙精神がリンの生成次元に辿り着くまでに、2回の転換作用の対化(酸素分子)を必要としていることを表している。ごく簡単ではあるが、リン酸=PO4という概念のカタチがどこに存在しているかを目の前の空間で説明しておこう。
今、君の前には君が客観世界と呼ぶ空間(時空)が広がっている。それを作り出している概念が酸素だ。おそらくそれは他者側からも見えていることだろう。そうした君の認識のカタチそのものが二つの酸素原子を意味している。そして、君はこれと同じ認識を他者が持っているであろうということもまた認識している。それがO4だと考えるといい。そして、そこに、それを見ている君自身の位置がポツンと投げ込まれているのが分かる。その位置は他者の眼差しであるリンによって照らし出された位置であり、この位置そのものは元素としては原子番号16番のS(イオウ)として機能してくることになる。深海の海底から吹き上げてくる黄褐色のSO2=二酸化イオウの気泡。これもまた生命の発生には不可欠な物質とされるものである。
いずれヌーソロジーはDNAの分子構造のすべてを目の前の空間の中に表現して見せてくることだろう。そのときは、この世界そのものがDNAの中に存在しているということが明瞭に知覚されてくるはずだ。OCOTがDNAのことを「概念の位置」と言っているのも、DNAが人間にとっての真実の脳であるからに他ならない。
(冒頭の図はhttp://www.tmd.ac.jp/artsci/biol/textbook/nucleus.htmより転用)
3月 10 2009
ヒトの精神構造としての太陽系(1)
さて、現在の時点でヌーソロジーが太陽系についてどのようなイメージを持っているか追記しておこう。
OCOT情報によれば、太陽系は「ヒト」と呼ばれるところの高次元意識体の精神構造が人間の意識するマクロ空間に投影されたものだという。ヒトの精神構造とは人間の意識の交替化を等化作用と見なす精神の構成である。簡単にいえば、此岸と彼岸の変換対称性を保存するための精神の構成場だということだ。もちろん、ここでいう此岸とは超越論的主観性としての自己、彼岸とはその主観が決して触れることのできない絶対的外部としての他者のことを意味している。自己を「一なるもの」としての個とすれば、他者は「多なるもの」としての種でもあると言えるが、太陽系という存在者は交渉不可能と考えられているこの二つの意識領域をかたや内惑星系、かたや外惑星系という形で互いに補完し合いながら意識の交通空間を作り出しているということらしい。
内惑星系(地球~火星)は人間の個的基体の意識発達を促す精神構造として働いており、外惑星系(木星~惑星X)の方は人間全体、すなわち種的基体の意識発達(歴史的無意識の発達)を促す精神構造となっているようだ。その意味でいえば、ヒトの精神(Ω7=木星)とは、個的意識を種的意識へと変換している力だと言える。このことから太陽系における内惑星系と外惑星系は「個」と「種」の意味において相似関係にあると見てよい。「自」と「他」の関係に沿ってそのまま反転関係にあるわけだ。
まずは太陽系の諸惑星と観察子の対応を挙げておく。
■太陽系と大系観察子の対応関係
1、大系観察子Ω1(顕在化におけるψ7)………地球
2、大系観察子Ω2(顕在化におけるψ8)………月
3、大系観察子Ω3(顕在化におけるψ9)………水星
4、大系観察子Ω4(顕在化におけるψ10)……金星
5、大系観察子Ω5(顕在化におけるψ11)……太陽
6、大系観察子Ω6(顕在化におけるψ12)……火星
反覚醒領域 ……アステロイドベルト
7、大系観察子Ω7(顕在化におけるψ*7)……木星
8、大系観察子Ω8(顕在化におけるψ*8)……土星
9、大系観察子Ω9(顕在化におけるψ*9)……天王星
10、大系観察子Ω10(顕在化におけるψ*10)…海王星
11、大系観察子Ω11(顕在化におけるψ*11)……冥王星
12、大系観察子Ω12(顕在化におけるψ*12)……惑星X
反覚醒領域 ……カイパーベルト
大系観察子Ω6(火星)とΩ7(木星)の間に存在しているアステロイドベルト(小惑星帯)は、個体意識が種的意識に進化していく際に、奇数系観察子と偶数系観察子が転倒した流れが作る意識次元の射影として出現しているようだ。つまり、Ω7~Ω8において、ヒトの精神であるΩ7が先手として働くか、その付帯質であるΩ8が先手に働くかの違いである。
Ω7が先手とした意識の流れはそのまま外惑星領域へと向かい、Ω8側が先手に回った意識は中和によって顕在化が見えないために再びΩ1へと送り還されるというシステムだ。この送り還された意識次元というのは人間そのもの意識次元を意味するので、アステロイドベルトとは結局のところ、反動的生成を持った人間の意識次元の太陽系における射影ということになる。いつも言ってる「カタチのない精神」としての有機体の場のことである。この精神の「カタチのなさ」が小惑星というバラバラな、いかにも力が飛散させられたような状態と関係しているのかもしれない。
ここで人間の個体の無意識を調整する内惑星の働きをケイプコンパスに照らし合わせてざっと俯瞰してみることにしよう。例によってヌーソロジー特有の難解な言い回しが出てくるが、ここではケイブコンパスにおける意識の進展性(矢印で表している流れ)にだけ注意を払ってもらえばよい。
■1、大系観察子Ω1~Ω2………地球と月(元止揚の対化)
●地球=Ω1………人間の元止揚の顕在化
人間の純粋知覚が構成されている領域で、その起源は観察精神と呼ばれる精神構造におけるすべてを等化した精神にある。光=現象そのものと言ってもいいだろう。これは神智学的にいえばエーテル界と考えられる。エーテル界はシュタイナーによれば射影空間的性質を持っているという。実際、人間の外面の空間(知覚正面)の在り方は射影空間となっている。ただ、ここで留意しなければならないのは、顕在化においては地球はψ7=Ω1だが、潜在化(人間の意識の覚醒が起こる前)においては地球は人間の内面側で働きを持っており、エーテル界ではなく物質界として働いている。つまり、人間の意識では人間の外面が無意識化しているということだ。
●月=Ω2………人間の元止揚の反映の顕在化
観察精神が対化として方向を持ったためにその相殺として生じている中和の位置を意味する。一言でいえば人間の肉体の生成次元と言っていいだろう。知覚という機能に対する胎児の形態形成場のことである。地球がエーテル界ならば、月は物質界に対応すると思われる。ただし、潜在化においては月と地球の働きは転倒しており、月は人間の外面側(エーテル界側)で働きを持っていると考えられる。
■2、大系観察子Ω3~Ω4………水星と金星(元止揚の対化の交差の方向性)
●水星=Ω3(ψ9)………人間の思形の顕在化
元止揚の対化が交差を行っていく次元の顕在化を意味する。水星は反対側の人間の精神=ψ*7に方向を持つことによって、人間の内面を交差する力を持ち、人間の内面の観察を形作る働きを持つ。いわゆる外在世界の観察次元である。人間の意識では外在の観察は言語として行われている。その意味で水星は言語認識の力であると考えられる。人間の内面には知覚は存在していないので言語によって観察されている事物はすべて知覚をコピーした妄映なであり、それゆえにこの次元は「人間の思形」と呼ばれる。思形とは文字通り「形を思う」働きのことである。この次元は神智学的にいえば低次メンタル界の働きと考えられる。
●金星=Ω4(ψ10)………人間の感性の顕在化
金星は反対側の付帯質が人間の精神に方向を持つことによって、人間の外面を交差し、人間の外面の意識を形作る働きを持つ。いわゆる知覚世界を感受し、感情を形作る意識の働きである。金星は精神=ψ7の方向を持っているために意識の分断化が弱い。「人間の感性」と呼ばれる。平たくいえば「人間のこころ」のことだ。神智学的にいえばアストラル界の働き。
■3、大系観察子Ω5~Ω6………太陽と火星(人間の精神の対化における等化とその中和への方向性)
●太陽=Ω5(ψ11)………人間の定質の顕在化
人間の思形と感性を等化する力の領域。前半部と後半部で二つの異なった働きを持っている。前半部は水星の方向性を反対側の精神の顕在化へと変え、人間の精神の対化の等化を行う。人間の精神の対化の等化とはψ7とψ*7を同一化させるという意味である。この同一化によって人間の精神の力は人間の内面(外在世界側)に働きを持ち、感性から切り離された理性の力によって抽象思考能力等が生じてくる。後半部は、理性が人間の外面への方向を持つ部分だ。ここにおいて理性はこころを等化する働きを持ち、個体意思=自我の確立がここで行われてくる。
●火星=Ω6(ψ12)………人間の性質の顕在化
太陽の付帯質としての働きを持つ場を意味する。太陽と同じく働きが前半部と後半部で二つの違う働きを持っている。前半部は人間の外面である知覚の場を意識から切断させる作用を持っている(人間の内面*が介入してくるということ)。これは主体自身を単なる物質的肉体として認識させる作用のことである。この作用によって火星は金星的(知覚的)なものとの対立を作ることになる。知覚が外されているという意味で火星を♂(男性原理)とすれば、金星は♀(女性原理)と言える。知覚の忘却によって個体意識の肉体への密閉化を促す。後半部は、密閉された状態のまま、他者の場との同一化を弁証法的に強要される部分である。結果、一つになりたいという欲望が闘争を生み出すことになる。
長くなったので、外惑星領域については次回にまわそう。
By kohsen • 01_ヌーソロジー • 0 • Tags: アストラル, エーテル, ケイブコンパス, 付帯質, 内面と外面, 大系観察子