9月 3 2018
電子の二重スリット実験が意味すること
「人間の意識に点(位置)認識を与えている持続空間の回転」というのが、ヌーソロジーにおける波動関数ψの解釈だった。よって、二点の認識の際には、当然二つの固有の波動関数ψ1とψ2が働いていることになる。そして、それらは自己の持続Ψから分岐しているものであるから、Ψ=ψ1+ψ2という等式が成り立つ。
下図上はおなじみの電子の二重スリット実験の概要図だ。点aを観測者の位置、点b、点cをそれぞれ二つの点認識の位置と考えよう。すると、それら各々の位置には、その認識を可能にするための持続空間のがΨ、ψ1、ψ2として活動していることになる。結果、右端(d)は、|Ψ|^2=|ψ1+ψ2|^2が干渉縞として現れることになる。
こうして波動関数を持続空間の活動と見なせば、二重スリットの実験結果も何の不思議も感じなくなるだろう。
―そこで起きていることとは、単に「人間の外面」で起きていることを、人間がそのまま「人間の内面」に見ているということにすぎない。
このことから、以前紹介した「点Aと点Bは同じ位置」(下図下)という発言の真意も分かるのではないだろうか。
見られるものではなく、見られるものを見ているものの内に奥深く分け入っていくことが必要だ。真の内観とは、宇宙持続の中で自分がどのように生み出されてきたのかを見ることだ。内観は内観自体の組織を持っている。それが素粒子のシステムだと、とりあえずは考えておくといい。
9月 11 2019
電子の二重スリット実験についてのヌーソロジー的見解
意識物理学研究所の佐藤氏からの提案で「ヌース物理部」なるものが活動を開始している。
(ぬーす・ぶ・つ・り・ぶ………いかにも佐藤氏らしい命名 笑)
参加者は佐藤氏、砂子氏、船木氏と僕を含めた4名。僕以外はいずれも物理学の猛者たちだ。(果たしてついていけるのだろうか?)
そこで、ヌーソロジーからの意見をしっかりと言えるように、量子の基本的なところから自分なりに整理し始めた。
まずは、量子の粒子性と波動性。ボーアが相補性と名付けた量子独特の存在様式について簡単にまとめてツイッターでつぶやいた。
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電子の二重スリット実験。
素粒子は観察されるものではなくて、観察させているもの。
観察させているものを対象として考えるからワケが分からなくなる。
ここが発射位置だよね。
ここにスリットが二つあるよね。
観測者にそのように認識させている力が下図のような波紋を作っていると思えばいい。
●電子の二重スリット実験に対するヌース的解釈の補足。
1.電子を波だと考えて観測を行うと、波の性質は消え、粒子として観測される。これはなぜか。
観測とは対象化=実数化のことでもあり、位置認識を瞬間性として時空に落とすことを意味する。時空に落とせば、持続空間側の支え(波)は排除される。
2.粒子概念は点のイメージだか、では量子が持つ波動性とは何なのか。
その点位置を意識に与えている持続空間(精神)が時空的に表現されたもの。
3.なぜ、この波動性は確率を意味するように見えてしまうのか(量子力学では波動関数は確率波の意味合いを持つとされる)。
点位置が周縁からの観察(円)によって支えられているものだという認識がわたしたちにないから。
4.観測が行われると、粒子が発見された場所以外では波の痕跡を見つけることができないのはなぜか。
観測者が位置認識を持続状態から、時空の一点に落としたから。
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ヌーソロジーの量子に対する基本的な考え方がこれで何となく分かってもらえるのではないだろうか。
物理学者が「量子とは何か」という問いにアプローチするとき、そこで物理学者たちが前提としている概念の成り立ちをヌーソロジーは問うている。つまり、位置なら位置、観測なら観測という概念を成り立たせているものとは何かについて考えている、ということ。
言い換えるなら、世界には、世界が人間の前にいかに開示されているかを規定している、「何らかの先行する非時空的なアプリオリ」があり、量子はその構造自体を示しているということだ。
これが素粒子全体のシステムとしては人間の無意識構造に結びつき、観察子概念を規定する構造にもなっている(と考えるのがヌーソロジーの基本)。
ヌース物理部の活動はかなり専門的なところまで、量子力学と意識の関係を掘り下げられるのではないかと期待している。
いずれ、活動結果を一冊の本に仕上げられるといいなぁ。
By kohsen • 01_ヌーソロジー • 0 • Tags: 二重スリット実験, 素粒子