11月 18 2005
脱ユニクロ循環(存在の耐えられない安さ)
ここ数年レクチャーをお休みしていて、人前に出る機会が少なくなったものだから、ファッションにほとんど気を使わなくなってしまっていた。ひきこもってダサダサ君になる状態を、身内(と言ってもわたしとトーラス氏の間だけ)では「ケプラー状態」という。かのケプラーは研究に没頭するあまり、風呂にもろくに入らず、自室に閉じこもったまんま、服も年中同じものを着ていたらしい。研究者タイプにはかなりこの「ケプラー状態」を生起する人が多い。わたしも、ヌース理論関係の作業に没頭すると自然にケプラー状態がやってくる。この年になって着飾ってどうとなるものでもないが、やはりダサ男くんは避けたい。これでも、以前はゴルチエやイッセイ・ミヤケやヤマモトヨージしか着ない時期だってあったのだ。ぶつぶつ。
しかし、大した収入もないのに、年ごとにモードが変わって行く流行のブランドものにそんなに金をかけてるのもバカらしい。そんなとき、出て来たのが、あの、小市民ブランドの覇者、ユニクロだった。何ぃ〜、ジーンズ2本と、セーター2枚、靴下5足まで買って、1万円でオツリがくるだとぉ〜。そのあまりの安さの衝撃に、ついふらふらとユニクロ通いが始まってしまった。うーん、今思えば魔が差したのだ。はっきり言って、ユニクロはサブリミナルの罠をかけている。というのも、ユニクロの服を買い出すと、なぜか中毒のようにユニクロにしかいかなくなるのだ。。。………うーむ、理由は簡単だった。ユニクロを着て服を買いに行ける店がユニクロしかないからだ。「あっ、今日もシャツがユニクロだ。これじゃいい服は買いに行けないっす。えーい、パンツもユニクロでいいや。」ということで、またユニクロにいる。こうして、先月もユニクロ、今月もユニクロ、来月もユニクロというように、ユニクロ菌がクローゼットの中を腐食し始める。ユニクロの服ははっきり言って自然破壊に手を貸してはいまいか。2〜3度着るとすぐに型くずれをおこしてユニセフの配給品のようになってしまうからだ。もちろん、それでもありがたく着せていただく、という精神は忘れたくはないが、その品質の劣悪さはやはり値段相応だ。そのくせ広告だけはあざといから余計に腹が立ってくる。よおし、ここは脱ユニクロだ。野菜なんか作ってんじゃねえー。銀座なんかに店出すんじゃねえー。というわけで、今年の冬からはケプラー状態からガリレオ状態(ガリレオはケプラーと違ってチョーオシャレで女にもモテた)へと変身するぞぉー。
ということで、昨日はさっそく街に出て、「seven」のブーツカットのジーンズとETROとMISSONIのセーター2着をゲット。おお、この三点だけで、何とユニクロ製品一年半分の値段じゃないか。なぜか顔がニコニコしているわたし。難しいことばかり考えて自室に閉じこもっているケプラー状態の諸君。諸君もたまにはオシャレをして街を歩こう。ユニクロ循環には陥らぬよう十分気をつけてくれたまえ。
12月 27 2006
始源のメルカバー
最近、3冊のヌース本を読んだというIさんという方からメールを頂いた。その中で「光の箱舟」で紹介した3種のプラトン立体(正四面体・正六面体・正8面体)と核子(陽子・中性子)の関係に関する質問があったので、かなりヌース理論の内部に入り込んだ記述になるが、この場を借りて現時点でのパースペクティブを書き記しておこうと思う。番号順に下図(1)〜(8)をご覧になりながら読んでいただきたい。
(1)正八面体は相互に反転関係にある3次元空間R^3の重畳を意味します。その意味で√1エッジは3次元の座標軸を象徴するものになります。この相互の反転性がスピン±1、相殺がスピン0粒子の元となります。主に力の粒子と見なされているものの本質だと考えています。
(2)SO(3)によって、R^3の対化の等化と中和が生まれます。4次元方向の軸が立つという意味です。等化側がψ5(電子のスピン軸)で、中和側がψ6(局所時空=ニュートリノのスピン軸)を作ります。この様子は回転する正四面体を貫く√3エッジ軸の2つの方向性に対応します。青側が電子で赤側が局所時空です。つまり、√3エッジとは4次元の座標軸を象徴するものになります。
(3)電子のスピンベクトルは図3のように√3/2の長さを持つスピン軸(ψ5)を中心に回転を行っています。
(4)このスピン軸は∞と1/∞を等化しているために、そのまま、正八面体に内接する球体の直径の位置まで縮みます。この直径は3次元座標軸の1/2の比になります。これが通常言われるスピン1/2に当たるものです。正八面体に内接する球体はモノ概念(点概念)に当たりますので、このスピン1/2が示す1/2とは「無限大が無限小に入り込むときの比率」を意味することになります。このプログでも何度も言ってきたように、外面から見ると天球面はモノ(点)の内壁と同一視される、ということの意味です。内部空間に入り込むということですね。
(5)(2)の双対を考えると図(5)のようになります。星形八面体の逆回転によって生まれる方向性です。双対で見るとψ5にψ*6が交差し、ψ6にψ*5が交差します。いわゆるツイスタースピノールです。
(6)ψ5とψ6を等化するために、ψ5はψ6をψ*5と見なして3次元球面上の回転SU(2)を作り出し、その対称性としてψ7=陽子が生まれます。このとき、3次元球面のフレームワークとなっているのが正六面体です。その意味でこの正六面体はψ7のカタチということができます。
(7)この正六面体は外面に生まれているものなので、そのまま、4次元方向に射影されて正八面体に内接する正六面体となり、モノ(点)概念を支えるフレームとなります。
(8)ψ5とψ6という対化において中和側は等化が見えません。それによって、ψ6とψ*6の対称性を形作る働きをし、同じく3次元球面上の回転を作り出しますが、等化(外面)が見えないので、そのまま、正六面体の外接球面として残ります。これが大局的時空(局所時空の綜合)です。等化側からは、これはそのままψ8の中性子に見えます。もちろん、フレームワークは正六面体です。
(9)以上のことから、次のようなことが言えそうです。
SU(2)として等方向に回転する3次元球面の中心点と球面の関係は陽子と中性子の関係と考えられる。そして、その半径が電子であり、これら陽子と中性子を等化するために電子は軌道運動しているのだろう。このことの認識としての意味は、ある客観的一点から広がる外在世界を認識している主体の意識そのもの、ということになります。単に「外の世界がある」と人間が思っていることのウラにはこのような空間構造が隠されている、ということです。このことは逆を言えば、このような構造を作り上げた思考が人間に「外の世界がある」と思わせていたということになります。そして、その建築物は時空上では水素原子として見えているということです(重水素には別の意味が持たされます)。電子のスピンも陽子・中性子のアイソスピンもともに±1/2ですが、これらが物質粒子を作ります。物質とは進化の方向を持った精神によって作られているということです。これらは人間の3次元認識におけるコミュニケーションの場、つまり、スピン±1や0の場(光子やウィークボゾン)を通じて力を媒介します。
陽子と中性子はヒトの精神と付帯質、すなわち、対化です。その等化が思形です。
ヒトとは人間の総体。
ヒトとは人間と全く反対の方向を持つもの。(シリウスファイル)
スピリチュアル系の人たちのためにオマケです。
●倫理的なものの到来
イデアの起源は双対の正四面体(わたしとあなた)にある。この形は互いに交差させることによってケプラーの星形八面体を構成する。この形はスピリチュアル世界ではマカバと呼ばれているが、マカバとはユダヤ神秘主義に登場する「メルカバー(神の戦車)」のことで、元来、物質世界(マルクト)に転落してきたアダムが生命の樹(セフィロト=生成空間)の中を帰還(上昇)するときに乗り込む乗り物とされている。ヌース理論でも事情はほとんど同じと考えてもらっていい。物質の生成運動が展開している場所は物理学も示している通り時空点の内部であるヌルスペースに存在する。意識における双対の正四面体の形成は4次元空間の顕在化を意味し、このカタチが見えたとき、知性は文字通りヌルスペース内の生成場へと侵入することができる。その意味で、ヌース理論では、プラトン立体の本質はヌル空間内部のイデア構造として見なされる。ヌルとはドイツ語で0(ゼロ)の意味を持つ。物理学では「光」の4元ベクトルが0であることから、このヌルは光の代名詞とされている。ヌース理論がヌルポッド(NCの4次元表示バージョン)と呼ぶものは、その意味で「0の容器」「光の容器」の意味がある。決して、ぬるま湯が入ったポットのことではないので注意が必要だ。おそらく、宇宙のすべては「汝」と「我」で作られている。アルケーから見ると、「汝」と「我」は根源語であると同時に、根源粒子としての双子の光子なのである。
By kohsen • 01_ヌーソロジー • 6 • Tags: ケプラー, ニュートリノ, プラトン立体, メルカバー, ユダヤ, 付帯質, 光の箱舟, 生命の樹