10月 22 2018
魂の反撃のために―追記4
円と双曲線にからめた持続空間の話、ちょっと長引いてるけど、もう一つだけ補足しておくね。
先日の図(下図上に再掲)からもすぐに察しがつくと思うんだけど、円と双曲線は物質と精神の一致を端的に表現するダイアグラムになってる。このへんが宇宙の美しさ。
双曲線が物質空間(時空)で、円が物質。そして、円の内部が精神=持続空間。物質は精神で作られているってことだね。
今の僕らは双曲線側からしか円を見ていない。それが「宇宙を幅で覆っている」ということの意味に対応していると考えるといいよ。円の中にダイレクトに侵入していくのが奥行き知覚。
この図の真ん中の青い球には自己と他者のみの持続しか表現されていないので、無数の他者(A.B.C…)をも含めた「わたしたちの持続空間」を表現するとこんな感じになる(下図下)。
この球体は「次元」が一つ上がった球体と考えていい。この球体の内部はもとの球体が一本の線分で表現されてしまうような空間で、無数の他者の奥行きが集合している様子を表現できるようになる。
この球体は数学的には「3次元球面」という形を持っている。3次元球面とはx,y,z軸における+∞と-∞の方向が全部繋がっている形だと考えるといい(対象としてイメージするのは無理。持続空間だから「無数の人たちがいる」という感覚として現れる。おそらく死者も含む)。
無限遠点が観察位置だと理解できてくるとマクロ宇宙の広がり全体は3次元球面に見えてくるので存在しなくなる。そのとき時間だったものは純粋持続へと反転し、そのままミクロ空間へと入り込んで原子核と同一視されるようになる。トンデモに聞こえるかもしれないけど、奥行きを虚軸と見なすなら、実際の宇宙というのはそうなってる。
多くの人がこのブルーの空間の方に自分を感じ出すと面白いんだけどねぇ~。ヌーソロジーではそれを「位置の変換(=ψ7)」って呼んでる。ちなみにレッド側は転換位置。位置の転換(ψ=8)が生み出している。
5月 22 2020
「今」に降り立つ天使たち
「天使の顔は過去を向いている」と言ったのはベンヤミンだったか、それともクレーだったか。楽園(奥行き)から吹いてくる風はいつも逆風で時を未来へと運んでいく。この風のせいで天使は「今」に降り立つことができない。それゆえ歴史はその都度この「今」を破壊し、そこに瓦礫の山を積み上げてきた。今やその風は、あのユダヤの過越しの風のような勢いで吹いてきている。
「今」に降り立つためには、物の中(内包=持続)と物の外(外延=時空)を自由に行き来できるような空間認識が必要だ。それが4次元認識というものでもある。4次元認識が生まれてくることによって初めて見るものと見られるものが一つになる世界観が生まれ、またそこには、自己と他者が真に結びつくことのできる世界も見えてくる。
4次元は観測者を含めないと思考できない。逆に言うなら、観測者が3次元の中に入り込んでくると、そこは4次元になる。そして、この4次元は〈見る〉方向と〈見られる〉方向の二方向に分かれ、それぞれ持続と時間という二種類の4次元感覚を意識に与え、前者は内包、後者は外延という位置関係に分配されている。
「現在と共存する過去」というわたしたちの意識的現実はこのようにして、身体の前(見る)と後ろ(見られる)という空間把握と同時に生み出されているものなのだ。今の私たちがいかに「見られる」側への一方的なバイアスの中で世界を構成しているかが分かるだろう。
ヌーソロジーが素粒子について執拗に語り続けるのも、この「失われた前」を取り戻すためだ。それが「消された存在」の正体でもあり、またそれは「生きている死」の世界のことでもある。
表象の世界に飽きた人には、是非、この4次元世界への侵入をオススメする。このルートを通して内包から外延へと意識が赴くことができるなら、宇宙はまるごと反転し、物質的自然はまったく新しい姿へと自らを変貌させてくることだろう。
明かしえぬ共同体。無為の共同体・・・。呼び名は色々とあるだろう。その中ですべては共に存在し、一つの歌を歌っているのだ。
By kohsen • 01_ヌーソロジー • 0 • Tags: 素粒子