1月 30 2018
今日のヌース用語 【思形】
【思形(しけい)】
精神が付帯質と等化を行うとき(位置の等換)に生まれる調整の力。付帯質を観察する力として働く。人間の意識には時間として現れる。人間の意識に客観をもたらすもの。人間に言葉を送り出す働き。人間においては思形は感性の反映として現れる。(下図上参照)
数あるヌース用語の中でも、個人的にはこの「思形」という言葉が一番思い出深い(笑)。というのも、これが最初のOCOT情報に登場したシリウス言語だったのね。シケイ? 死刑? 市警? 何のことか意味が分からん、という感じ。それは、こんなやりとりの中で現れた。
K 人間とは何ですか ?
O 二つの性格を持つ軸。
K 二つの性格とは ?
O カンセイとシケイ。
K 対立するものなのか ?
O 地球の中においては対立する。
数年間の紆余曲折を経て、シケイとカンセイには思形と感性という漢字を当てた。今、考えれば、結局これらは僕らが客観と主観と呼んでいる言葉の意味に近い。ただ、この思形と感性はヒトや真実の人間と呼ばれる高次の精神をも貫く構造概念のようで、客観/主観解釈は人間の思形と感性に限られるけどね。
ケイブコンパスでの表現は位置の関係性を俯瞰するためのものなので、この思形が意味するところが分かりにくいと思うけど、空間概念として表すとこんな感じ。何のことはない。左方向から入り込んでくる内在的視線のことを言っている。(下図左下参照)
この視線が自己と対象を幅の中において分離させているのが容易に分かるはず。この図では、ラカンの言葉を借用して思形を「大文字の他者(どこの誰とも言えない抽象的他者)」の視線として表現しているけど、この視線によって奥行きが幅化するわけだね。つまり、空間の3次元性が生まれているということ。
ただ、幅化した奥行きには二つの方向性がある。感性の方は奥行きをなぞっているんだけど、逆方向の空間もある。これが人間の内面と呼ばれる付帯質のこと。この付帯質は対象の手前方向である自己の肉体の方を向いている。この認識力が人間の自我拠点なわけだね。これは肉体の背後の空間も含むよ。(下図右下参照)
これらの図からちょっと想像を巡らすだけでも、人間を単なる物質の塊と見て、巨大な空間の中に投げ込まれた孤独な存在と見なす今の世界観が、いかに付帯質の力を助長させているかがわかるんじゃないかね。付帯質はほんとうは奥行きに入りたがっている。それが感性(前)が持った本能。
で、重要なことは、空間に潜むこうした力の構造が実は素粒子の構造だということ。強調したいのはそこだね。奥行きが純粋持続として覚醒すれば、そのことが分かってくる。何も見えない空間の中に、無意識のネットワークが張り巡らされているのが見えてくるよ。
2月 23 2018
今日のヌース用語 【表化】
【表化(ひょうか)】
元止揚の対化の交差によって思形と感性の発露を作り、表相を人間の意識にもたらすこと。現象の立ち現れのこと。素粒子的には陽子と中性子の役割。
「表化」というのは、文字どおり、「表に化ける」といったようなことだけど、非局所(持続空間)から局所(時間と空間)が作られ、それがもとの非局所(持続空間)と触れ合ったとき、人間の意識において現象の認識が生じる、といったような意味。人間の意識の発生の契機と言ってもいいかもしれない。
中沢新一さんが「モノとの同盟」という論考の中で、タマ(霊)と「あること(存在)」の関係を、「たまご」や「かひ(たまごの古語)」の内部で成長をとげたものが殻を破ってこの世界にあらわれ出るイメージで解説しているんだけど、この「表化」という概念はそれに近い。さっくり言うなら、霊が物質に変態してくる仕組みのようなもの。
ケイブコンパスとヘキサチューブルでその位置を表すと、こんな感じかな(下図参照)。
人間の場合は、この「元止揚(ψ7〜8)」というヤツが全く見えていないわけだね。「表化」から意識が始まってる。だから、物を単なる対象のように見てしまって、物が自分自身の霊でもあるということに気づけない。
いつも、言ってるけど、物質の根底が陽子と中性子で成り立っているのは、物質が人間の意識に表れ出る仕組みそのものを内包しているからだと思うといい。陽子がψ7で中性子がψ8に相当している。
「元止揚」と「表化」という概念は、数学の群でいうと、SU(2)とSL(2,C)の関係に近いのではないかと考えてます。
※ヌーソロジーは空間に隠れている精神の構造を単なるモデルではなく、それそのものとして思考していく。これは、言うなれば、霊視だね。霊視の知覚器官は思考だということ。つまりは、物質をアンフォルメルな思考で捉えていくこと——それが最も健全な霊視の作業というものじゃなかろうか。
By kohsen • 01_ヌーソロジー • 0 • Tags: ケイブコンパス, ヘキサチューブル, 中沢新一