ダークサイド・オブ・ザ・ムーンから逃れて

ちょっとオカルトっぽく表現するなら、世界を物質だけで見る空間は月のダークサイドです。狂気です。There is no dark side of the moon really. Matter of fact it’s all dark(Pink Floyd)です。

自分を地球と見て、自分の周囲にある物質を月と見てください。
これは、自分を取り巻く円に物質が見えるということを象徴しています。

当然、このとき物質のウラは見えません。このウラがダークサイドです。それを他者が見ている物質だと考えるといいでしょう。
俯瞰的空間はこのダークサイドが深く関わっているということです。
他者空間にまるまる囚われることは、ダークサイド・オブ・ザ・ムーンだということが直感的に分かるでしょう。

かろうじて、自分の周りに物質が見える状態を保ったとしても、それでも、自分の空間が目覚めた状態とは言えません。
なぜなら、それでも自己はまだ地球と月との間に閉じ込められているからです。

自分の空間に戻るというのは、月を太陽の方向へと裏返すことを意味します。
月として見ていたものを太陽の中に見ること——
「外延を内包に反転させる」とは、そのことを意味します。
物質が太陽に見えてきたとき、生粋の自己空間が初めて出現してきます。
もちろん、ここでいう太陽とは精神のことです。

この一連のプロセスは、オカルティズムで言われるところの「月と太陽の聖婚」を表しています。
月と太陽の聖婚は、意識と無意識の融合、人間の外面的な自己と内面的な現実の統合を象徴しています。

このような統合によって、「わたし」は完全な自己認識と調和を、自らの中に達成してくるようになるということですね。
今という時代、世界全体が月のダークサイドへと落下して行っている音が聞こえませんか?