志向性の下に住まう精神

奥行きに持続を見る思考。これは奥行きが志向性とは別の次元を持っているということを意味している。
志向性にはまだ幅概念が混じっている。これがヌースに言う感性空間というやつだ。この感性空間の下に真の奥行きは眠っている。この奥行きこそが精神の「場所(トポス)」なのだ。

だからこそ、このトポスは志向性を一気に乗り越え、別のトポロジックな空間を私たちの目の前に展開する。それは世界の底に立つことに同じ。
ドゥルーズがいうように、このトポロジックな空間の登場が〈外〉と〈内〉という最も遠いものと最も深いものとを接触させる。そこでは、無限大=無限小であり、物理学的にはc(光速度)がi(虚数単位)へと転じる場所。

この場所において、魂たる素粒子の内部が人間の前に開かれるのである。