無頭人アセファル

主観側には実は頭部がない——つまり、無頭人アセファルだということ。
アセファルとは、バタイユが作った秘密結社の名前だけど、もともとはバタイユが幻視した怪物の名前。その一番の特徴は頭がないこと。
バタイユはアセファルを真の人間のイメージと考え、その共同体を「明かしえぬ共同体(ブランショ)」としてイメージしていた。
ヌーソロジーもそれは同じだ。違うのは、バタイユのようにそれを怪物のようには象徴化しないということ。というのも、それは表象化不能なものだから。
この前のシュレディンガー方程式の姿を想像してもらえば、アセファルがどのような存在か、皆さんにも多少の見当はついてくるのではないか。
それは——人間が空間そのものへと変身したときの空間のことである。

アセファル