8月 22 2022
すべてのものの中にすべてがあり、すべてのものがすべてのものを部分に含んでいる
古代ギリシア最後の自然哲学者とも言われるアナクサゴラス。ヌーソロジーで用いている「ヌース」という言葉は、彼のいう「nous(神的知性)」とOCOT情報にいう「ノウス」を僕が同じものと見てとったところから来ています。
「すべてのものの中にすべてがあり、すべてのものがすべてのものを部分を含んでいる」。これがアナクサゴラスの哲学の常套句だったと言われています。何とも華厳経的、モナド的と言うか、今でいうホログラフィック的な世界の見方ですね。大きさなどといった概念で宇宙を見ていないということです。
私たちが大きさの概念から解放されて宇宙を思考できるようになるためには4次元の認識が必要です。自分自身を3次元から出すことが必要なわけです。自分自身が4次元的存在だと分かったとき、空間は一気に相転移を起こし精神化します。延長から持続へと変わり、存在は内的なものへと身を翻すのです。
ヌーソロジーの「幅から奥行きへ」というモットーもそのような内部の空間を開いていくためのアジテーションです。4次元から見ると無限大は無限小です。これは幅として認識されている極大宇宙も、奥行きで見るなら、それは極小宇宙になっていることを意味します。物質と精神のつなぎ目がそこにあります。
まさに、すべてのものがすべてのものの中に入っているのです。正確に言えば、すべてのものはすべてのものの中に記憶として入り込んでいるのだと言えるでしょう。
私たち人間の身体とは、そのような無限大と無限小の間の結節に生じている宇宙が持った全記憶の結晶のようなものです。だから、それは宇宙の種子でもあるのです。人間の概念を大きく変えるときだと思います。でないと宇宙の在り方も変わりません。
8月 24 2022
外に立つということ
光速度について考え直してみたけど、やっぱり光速度って速度なんかじゃないよねと。
特殊相対論で座標を相対的ものとして見ている位置が光速度の位置なんだから、それこそが観察者の位置だね。人間の内面には観測者はいないよ。
だから、c=iとおけば(ct→it)、時空は必然的に4次元空間となって宇宙は一斉に内化するよね。奥行きで空間を見る、というのはそういうことを言ってる。人間の内面には知覚される世界なんてものは存在しないってこと。これは脳でクオリアを説明できないことと同じ。
周りを見渡してみれば分かるけど、奥行きに生きているのは自分だけで、その自己自身から見た場合、他者も含む他の存在者は奥行きを持たない。奥行きが実存や死と深く関わっているのは当然と言えば当然。奥行きは時空ではなく、あの世なんだよ。
この感覚が3次元に投げ込まれた肉体的な自己には分からない。奥行きは4次元だよ。そして、そこにいるのがほんとうの意識的主体。そこから世界を再構成しようと言ってるのがヌーソロジーだと思うといいよ。
4次元に入ると、時空と素粒子(物質粒子)は〈外部-内部〉の対化として見える。内部は複素空間の次元として次元の階層性を作り、原子(精神)化していくけど、外部においてはそれらの次元的な差異は時間の名のもとに一元化され、単なる物質にしか見えない。それが中和という状態の意味だ。中和に生きる人間。そして、中和の中で物質化する精神。
自然界の多様性の由来は、精神が生み出す様々な生成次元の投影にある。生態系とてもちろん例外じゃない。おそらく種の違いも精神の次元発展のプロセスに由来するものだろう。そして、その多様性を観察するオメガなる存在がアルファに接続する場所の物質的投影が人間という種として現出している。言語はそこにおいて活動している。
この存在-内的な精神のフローの場を世界と見なす視力を養うための思考を生み出すことが、これからの私たちの知の営みとなっていくように思う。自己イメージを奥行きの空間を通して自然の内部へと浸透せていくこと。OCOT情報が「核質の解体」と呼ぶ概念も、そのような人間の変容のことを指す。この「核質の解体」によって無核質が発動を開始すると言う。
シュタイナーの言葉で表現するなら、OCOT情報のいう核質・無核質・反核質というものは、それぞれ下のような感じだろうか。
・核質→物質界(物質体)
・無核質→エーテル界(エーテル体)
・反核質→アストラル界(アストラル体)
・キカクシツ→神界(自我)
()内は上位次元の人間の超越論的領野への凝縮化を意味している。
ただ、OCOT情報が面白いのは、シュタイナーのように実体論的には語らず、霊的領域は高次元の多様体として空間的ネットワークとして活動していると見てるところ。その辺がとてもクールで知的だ。情動面はアストラル界の構造変動による効果として見ているようなところがあって、まずはエーテル界の構造を見いださないと情動の謎も分からないよ、というのがOCOTからの示唆だ。
核質とは下図に示すように3次元認識・対象認識・肉体的自己の認識を作る力のことをいう。4次元認識の発動によって核質は解体し無核質領域に入っていく。これが素粒子知覚の世界。それによって人間は人間のアプリオリを真の自己として見出すというシナリオになっている。シュタイナーに言うエーテル体の彫塑がこれに当たる。
量子論にいう波動関数の崩壊なんかも、〈対象として量子を観察しよう〉という行為自体が観測者を4次元の位置から3次元の位置へと落とすことによって起こっていると考えると辻褄が合うね。
By kohsen • 01_ヌーソロジー • 0 • Tags: OCOT情報, シュタイナー, 奥行き, 波動関数, 素粒子, 量子論